1252番:ロシア語Ⅱ(40)
- カテゴリ:日記
- 2021/08/28 22:13:53
ロシア語 (40/100)
———————————【第40回】————————————
学習テーマ: プーシキン『エヴゲーニィ・オネーギン』より(まとめ)
« Евгений Онегин »
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Москà ...
マスクヴァー
как мнóго в этом звýке
カク ムノーガ ヴ エータム ズヴーキェ
Для сéрдца рýсского
ドゥリャー セェルツァ ルースカヴァ
слилóсь !
スィリローシ
Как мнóго в нём
カク ムノーガ ヴ ニョーム
отозвалóсь !
アタズヴァローシ
——————————(訳)————————————————————
モスクワ...
その響きの中に、いかに多くのものが
ロシア人の心にとって、ひとつに溶け合
っていることか!
その中で、いかに多くのものがこだま
することか!
——————————≪語句≫————————————————
как [カーク] (感嘆) 何と
этом [エータム] この(этотの前置格)
звýке [ズヴーキェ] 音、響き(звyк [ズヴーク] の前置格)
для (前) [ドゥリャー] ~にとって + [生格]
сéрдца [シェルツァ] 心、心臓(сéрдe [シェルツェ] の生格)
рýсского [ルースカヴァ] ロシア(人)の(рýсский [ルースキィ] の生格)
слилóсь [スリローシ] 一つになる(слиться [スリッツァ] の過去中性形)
(в)нём [(ヴ) ニョーム] それ(онの前置格、ここでは этот звукを指す)
отозвалóсь [アタズバローシ] 応答する(отозвáться [アタズヴァッツァ] の過去中性形)
————————《今週の復習と発展》—————————————
1.-ся 動詞
-сяはもともとсебя(自分自身を)という語がつづまって
他動詞の後にくっついたものと考えられますが、-ся 動詞は
ものによっていろいろな機能を担っています.
☆再帰的な意味を持つ(мыть洗う→мыться開く)
☆自動詞化する(открыть開ける→открыться開く)
☆受身になる(строить建てる→строиться建てられる)
☆相互性をあらわす(обнимáть抱く→обнимáться抱き合う)
☆-сяをとった動詞の存在しないもの(нравиться)
2.前置詞の格支配
前置詞は、後に続く名詞の格を支配します.
たとえば
❶「~(場所)に」を意味する前置詞в やнаは前置格、
❷「~(だれ)のところへ」を意味する前置詞кは与格、
❸「~にとって」を意味する前置詞дляは生格、
といった具合に決まっているのです.
これから前置詞が出てきたら、意味と共に、それが何格を要求する
前置詞なのかも合わせて覚えましょう.
3. 『エヴゲーニィ・オネーギン』
« Евгéний Онéгин»
ロシアの詩聖アレクサンドル・プーシキンАлександр Пушкин(1799
~1837)の代表的韻文小説で、ロシア人に最も愛されている古典のひとつ
です.
物語の筋はこうです.主人公の貴族オネーギンが田舎地主の娘で清純
なタチヤーナの恋の告白をたしなめ拒否する.彼は、決闘で親友を撃ち殺
てしまい、放浪の旅に出るが、やがてペテルブルクに戻る.そして、侯爵
と結婚して社交界の華となっているタチヤーナに再会し、恋の虜になる.
しかし今度は彼女がオネーギンをしりぞける….
すれ違う愛の悲劇が、8章からなる格調高い韻文で語られています.
引用した箇所は第7章36節の最後ですが、アクセントのある音節と
ない音節は
|無有|無有|無有|無有|無
|無有|無有|無無|無有|
|無有|無有|無無|無有|
このようになり、|無有|つまり、[弱強]という単位の韻律で書かれている
ことがわかります.しかも最後の2行は脚韻が、-лосьでそろっています.
『エヴゲーニィ・オネーギン』は、ほぼ全編にわたって、1節14行、[弱強]
リズム、規則正しい脚韻を保っています.