Nicotto Town



たんたんたぬきの金玉は~

8月も終わりになり、ようやく夏休みをとることができた。木更津工場の不良品出荷から、会社に泊まり込む日が多く、疲れがたまっていた。盆の長雨が終わると、それを取り戻すように暑い日が続き、クーラーの無い部屋に一日中いると、疲れがいつまで経ってもとれなかった。健二は、妙高にある民宿に避難することにした。


妙高は、長野県に接する上越市に位置している。標高2453mの妙高山の麓に、多くの温泉が湧き、冬はスキー、夏は避暑地として、多くのペンションや民宿、保養施設がある。

健二は、北信越道から一般道に降り、池の平にある民宿に入った。この民宿の露天風呂が気に入り、何度か泊ったことがあった。民宿には、昼過ぎに着いた。風呂には涼しくなってから入りたかったので、それまで散策することにした。

コンクリートとアスファルトに覆われた都心と違い、木々の間から差し込む夏の日差しも心地よかった。いもり池から山道に入ったが、山の中では珍しいアオスジアゲハを追いかけて林の中に分けいった。

蝶を見ていて、危うく倒木でできた穴に滑り落ちそうになった。腰ほどの深さの穴で、底を見ると黒っぽいものが丸まっている。見つめていると、もそもそと動き始めた。たぬきだった。穴から出ようと、爪をたて身体を伸ばすが、ずるずるとずり落ちている。

胴長で短足の不器用そうなたぬきは、自力では這い上がれそうもなかった。健二は、穴に入りたぬきを摘まみ上げると地面に放り投げた。たぬきは、のそのそと林の中に消えていった。

四国出身の健二は、きつねよりたぬきの方が親しみがある。四国には、きつねがいなかった。きつねのいたずらが度を過ぎたので、怒った弘法大師が、四国からきつねを追放したという言い伝えがある。

四国はたぬき王国と呼ばれ、伊予西条には「たぬき饅頭」が、ジブリアニメの「平成狸合戦ぽんぽこ」のモチーフになったのは小松島の阿波たぬき合戦だ。健二の故郷の盆おどりには、屋島だぬきも来て踊るとの歌詞がある。

湿原迄あるき、民宿に戻ると日が暮れはじめていた。部屋に戻り、夕飯を食べに行こうかと考えていると、仲居がお膳を運んできた。

「今日は、何時に東京を出るか決めてなかったので、夕飯を頼んでいなかったと思いますが。」
「・・・・・」

「他の部屋のお客さんと間違っていませんか。」
「・・・・・」

仲居は、何も答えない。たぬき寝入りか。歳の頃なら30代の前半、色白の女性ばかりになった今では珍しい小麦色の肌。小顔で黒目がちのくりくりとした瞳。ふっくらとした体形で艶めかしい。

「夕飯を食べようと思っていたので、いただけるならいただきます。」

仲居が、座卓にお膳を並べ始めた。先付は、冷製陸蓮根とろろかけとじゅん菜。切子の器に盛られて、見た目ととろりとした冷たい食感から涼しさを感じる。前菜は、太刀魚手綱焼とミニトマトの蟹射込。手綱焼は、細身で長い魚を立体的に焼き上げるためボリューム感がでる。太刀魚とミニトマトで、口の中に夏が広がる。

アワビの吸い物、鮎に和牛の焼き物と民宿の夕飯とは思えない、贅沢な一品が続くが、むかごが大きくなったような、小さなキウイのような緑色の丸い実が皿に盛られている。

手に取って眺めていると、仲居が、「さるなし。あたいがとってきました。そのまま、皮を剥かずに食べてください。」という。噛むと、酸味と甘みが口の中に広がり、味覚がリセットされる。その後出された、名物の妙高蕎麦をいっそう美味しく感じることができた。

仲居は、お膳を片付け終わると、冷酒をついでくれた。昼間に歩いた疲れと、アルコールの心地よさで眠気を感じた。仲居は隣に座り、横になってというと、肩に手をあて自分を引き寄せた。

そのまま、仲居の太ももに頭をのせて目を閉じた。仲居が頭をなぜてくれるが、そのたびに大きなおっぱいが、頬にあたる。無意識に、仲居の尻を抱き寄せ、なぜてしまった。おそらく、子供の頃の潜在意識がそうさせたのだろう。

げんこつ山のたぬきさん、おっぱいのんでねんねして~抱っこしておんぶして、またあした

いつの間にか寝てしまった。目覚めると、仲居の姿はなく、座布団を枕にして眠っていた。酔い覚ましに温泉に入ろうと、タオルをとり階段を降りて行った。

内湯で身体を流し、露天風呂に入ろうと引き戸を開けて、外に出ると、タオルを巻いた仲居が立っていた。仲居は、露天風呂にタオルを巻いたまま入ると、お盆に載せた、冷酒をついでくれた。お湯に入りながら酒を飲むと一気に酔いが回る。

仲居に、お背中を流しますと言われて、内湯に戻った。仲居が身体を洗おうと腕を伸ばすたびに、大きな胸が背中に触れる。酔いもまわり、我慢の限界だった。仲居のタオルを掴むと、仲居の身体から引きはがした。

すると股間に、大きな金玉がぶらぶらしていた。仲居が、もくもくと煙に包まれると、ぽんぽこぽーんと鳴いて、山に帰って行った。

「オスか」

健二は、温泉につかりながら、「たんたんたぬきのきんたまは~か~ぜに吹かれて、ぶ~らぶら~」と呟いて、まんまるい月を眺めた。

たんたんたぬきの金玉の原曲は、神聖なるゴスペラソングである。
https://www.youtube.com/watch?v=Y-pf-Jx19Lc

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2021/09/03 16:55
mさん
そもそも結婚に向いている男の方がおかしいのではないでしょうか。日本人に愛される寅さんも裸の大将もひと所にはとどまれないのです。地中の有機物は、二酸化炭素、アンモニア、水などの無機物に分解されてしまうので、嵩は増えませんが、一部が腐食物質になります。これが、土粒子の団粒構造に欠かせません。空隙を作って、水や空気を通し、根も張れます。栄養分も粘土と比較できないくらい保持しますので、いい土になります。是非、おばさんの土で育てた、芋を貰いましょう。
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2021/09/03 14:07
・・・(-.-)・・・そうですか・・・(-.-)
ダメですか・・・(-.-)

NHK衛星放送
プロアドベンチャーレーサー田中陽希が挑む日本の山301座
田中陽希さんも離婚してるし、登山・社会貢献活動 — 野口 健も1回目は離婚

向かないかぁ~(-.-)

健康的と言えば今年は家庭菜園の夏野菜もったいないので食べてたら夏バテ、今の所してないと思う~♪
で、野菜くずですが「キエーロ」で検索するといっぱい出ますが

容器に入れた黒土に刻んだ生ごみを混ぜ込む→生ごみが土にかえる
土全体の量は増えない

知り合いのおばさんがやってます、今のところ成功してて不思議がってますが
(私は面倒でコンポストにほりこむ)

私は「土全体の量が増えない」のが不思議ですが→そんなもん???
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2021/09/02 19:50
mさん
美奈子ママでも、孤独なおっさんになっていたでしょう。どう考えても、いい夫にはなりそうもありません。我が家にはクーラーがありませんが、それだけで、喧嘩でしょう。暑い時は暑いなりに、寒い時は寒いなりに、自然とともに生きるのが日本人の美学と言ったら、アホかと怒るでしょう。旅に出たら、気ままな旅がしたいから、車中泊かネカフェでいいよねと言ったら、蹴り倒されるのではないでしょうか。自由を謳歌するためには、代償が必要なのです。オウムに入信していた人を知っていますが、一日2リットルの水を飲んで、健康的に暮らしていました。
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2021/09/02 10:19
ここだけの話ですが‥…私さんの子供に生まれてたら「私(僕)も結婚できたかな?」と私が子供を結婚させる圧力(オーラ)を見て→言われたことが2度ほどあります。

沖人さんも私の息子なら結婚させられてたかも…?

ところで国松長官狙撃はオウム真理教の信者が大麻かなにか薬で記憶が混乱したのか
刑務所に服役中の「中村泰」が自供・・・
オウム真理教の信者か「中村泰」のどっちか、過去に戻って空中浮遊で見る事できませんか?
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2021/09/01 21:26
涼華さん
ばれましたか。しかし、涼華さんが、たんたんタヌキのきんたまわ〜と口ずさんでいたこともバレてしまいました。

スズランさん
自分は四国生まれですが、タヌキを見たことがありません。道で出会ったら、イタチかタヌキか見分けるのは、難しそうですね。灯油屋さんの娘さんが、物心つき、歌詞を知って、恥ずかしいから欅坂に変えてと言ったのだと思います。
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2021/09/01 15:18
面白かったです。
平成狸合戦ぽんぽこ好きだったので、
情景がなんとなく浮かびました。
そういえば四国は狸が多いというのも思い出しました。
以前ドライブ旅行に行った時はかなりの酷道を通ったけど、出会わなかったので残念です。

「たんたんたぬき~」の曲を流す灯油業者が数年前の冬は来てたけど、最近来ないです。
心の中で合わせて歌ってました笑。
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2021/09/01 10:41
タイトルから、なんとな~く
オチが想像できました~ (*≧m≦*)
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2021/08/31 20:56
mさん
ここだけの話ですが、私は空中浮遊ができます。二、三日前も空を飛んでいる夢を見ました。飛んでいると言っても、浮いている感じです。地上に降りる時も、大きく円弧を描きトンビのような感じです。間もなく教祖になると思います。オウムに対抗して、トンビにします。捜査状況を書きますと、国松長官を撃った拳銃は、神田川に捨てたと自供され、どぶざらいを見ましたが見当たらず、流体力学を駆使して位置の把握に努めましたが見つかりませんでした。当時、多摩川にタマちゃんが現れていましたので、咥えて東京湾に遺棄したのではないかというのが、桜田門の見解です。
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2021/08/31 15:06
おっ!珍しい!地上波や衛星放送・・・いっぱい放送あるし、CM飛ばしの録画しか見ないって人もいる中、同じ番組を見てる人と・・・2~3年ぶりかな「同じ番組見た」なんて話題♪♪♪

あ~そういえばオウム真理教が→起こしたんじゃないか?
警察庁長官狙撃事件・・・あの時も「胴長」で川で何だったかなぁ~何か探してましたねぇ

オウム真理教と言えばあぐらかいて→ピョンピョン跳ねる(空中浮遊?)
息子やってました(幼稚園だったか?)

沖人さんはやってみました?
(空中浮遊とオウム真理教は言い張ってたけど)あぐらかいてピョンピョン~?
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2021/08/30 21:17
mさん
コスタリカでタガメやカマキリを探していた番組ですね。思わず見てしました。水生生物の調査をした時に、胴長を履いたことがあります。胴付長靴は、胴長と言われています。釣り人や漁師も使いますが、犯人が捨て去った物証を探すために、川ざらいをする警察官も使用しています。
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2021/08/30 21:11
胴長~~~昨日見たTV~NHK→香川照之がバッタの恰好して、タガメ捕獲に胴つき長靴
「胴つき長靴」あれは釣りをやる人は着るかな?

「胴つき長靴」着たことある?
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2021/08/30 21:09
リンゴさん
そこは謎なのです。文部省唱歌でもないし、テレビやラジオでも放送されことはないので、なぜ、全国に広まったのか、どのように伝承されているのかが不思議なのです。いつ広まったかは、わかっているのですが、その論文を棄ててしまいました。
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2021/08/30 20:44
神聖な歌に何故こんな歌詞がついたんでしょうね^^?
不思議不思議;;
化かしやられたねぇ
面白かった♪
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2021/08/30 20:10
アリスさん
以前は、子孫繁栄や子宝祈願のために、あちこちにあったり、秘宝館を神社が経営していることも多かったそうです。
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2021/08/30 19:18
おもしろかったよ。
最後に化かされたのだね。
性器をお祭りにしてたって、コメントで書いていたけれど、昔の職場で性器の書いてあるおみくじのような、お守りを持っていた人がいたよ。
そういうことだったんだね。
なんで、そんなのがあるんだろう?と不思議に思っていたのが、やっと解決したよ。
ありがとう。
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2021/08/29 23:42
りんごさん
小さな緑色の木の実は、さるなしです。
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2021/08/29 23:35
おもしろかった(*´艸`*)
小さなキウイのような緑色の丸い実ってなんだろう?
たぬきさんといえばポンポコリ~ンお好み焼きの道とん堀を思い浮かびました
道とん堀のたぬきさんは洋服を着てないから着せてあげたいよぉ
まだまだ暑い日が続くので夏バテ?残暑バテ?に気をつけてね~
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2021/08/29 22:38
たまちゃん
体型は、多治見産が有名なたぬきの置物をイメージしてください。招き猫は海外で人気なのに、たぬきの置物は人気がないのはなぜかというレポートがあります。その原因は、たぬきに金玉がついているからという結論でした。
しかし、まねき猫も金玉と関りがります。かつて、遊郭の玄関には、ちんちんの置物が置かれていました。今では、川崎くらいですが、男根などの性器をお祭りが日本各地にありました。明治政府は、これはいかんと、禁止令を出し、各地のお祭りや置物が廃止、撤廃されていきました。
困った遊郭は、おちんちんに猫の置物を被せるようになりました。それで、生まれたのが招き猫です。猫かぶりという言葉生まれたのも、その頃だという説が有力です。
したがって、可愛いお嬢さんに猫かぶりしちゃってというと、お嬢ちゃんをおちんちん扱いしていることになるので、気をつけましょう。
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2021/08/29 21:19
原曲がゴスペルとは知りませんでした!!!
でも通しで歌を聞いていると、雰囲気が違うせいか、別物に聞こえますね。
狸の恩返しの仲居さんは、肥満体のおじさまの体型ってことでしょうか。
小錦のような感じ?(←例えが昔すぎる)
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2021/08/29 19:37
寧々こさん
女帝だと、きつねとたぬきの化かし合いになってしまいそう。女狐のイメージは和風の美形なので、ミニスカ女帝と合わないかもしれません。

wineさん
緊急事態宣言を気にしていないので、いつでも遠くにいけます。しかし、昨日、母と電話したら、香川県警が東京で飲み食いしていたのが新聞で怒られていたから、出歩くなと言われました。
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2021/08/29 19:18
早く自由に旅行に行けるようになると良いですね。夏休みはどこも出かけてません。
ゴスペラソングとは知らなかったです。見てこよーと思います。んじゃ。
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2021/08/29 18:16
ふふふふふふふふ
女帝も化かしてやってくださいましな
寧々も気をつけようっと




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