いちょう
- カテゴリ:小説/詩
- 2021/09/09 10:50:24
夏の終わりを追いかける様に
こっそりと秋が忍び寄ってくる
もうすぐ色付く街路樹も
自分が一番だといいながら
その日を待っている
私とあなたに2回目の秋は来なかった
金色に輝く街路樹も
二人で見たのは一度だけで
懐かしさを感じることもなく
まだ緑色の葉を眺める
仲睦まじかった私達
なにが起きたのだろう
そんな事はどうでもいい
問題なのは今私が一人だということ
あなたは今頃どうだろう
あなたにもらった銀杏の葉も
くずれてごなごなになった
でもそんなことはくいい
こうして残っているのだから
手のひらに乗せて吹いてみた
こなごなになった銀の葉
どこにまぃ降りただろう
悲しみの湖を探して
そこにおちつあいただろうか
青い銀杏の木よ
かれが来たら伝えて
私はまだここにいると
まだ愛を残していると
それがだめなら一人帰る
美しい詩ですね。情景が浮かび上がるような。
空になったベンチには誰が座るのでしょう。
愛し合うひとだといいですね。
想い出を乗せて空を飛ぶ
舞い落ちるいくつもの葉を受けながら
片隅のベンチに二人は座っている
それは
最初で最後の二人のシルエット
夏に銀杏の葉は青く燃えている
木陰にひっそりとそのベンチはある
今年の秋には誰が座るのだろうか
そんなことを思いながら
銀杏の木は葉の色を金色に染め始めた