オスプレイ(後編)
- カテゴリ:自作小説
- 2021/09/25 15:02:58
急に腹が減ってきた。爆弾を作り始めてから、一週間、ビールしか飲んでいなかった。冷蔵庫に残っていたソーセージを豆と一緒に煮込んだ。塩で味付けしたが、不味かった。
軍隊の携行食をレーションと呼ぶ。大戦中に米国陸軍が採用していたCレーションが、肉と豆の煮物の缶詰とビスケットだった。一日6缶が割り当てられ、その熱量は4437キロカロリーある。ダイエット中の女子が卒倒しそうなカロリーで、一食、おむすび2個だった日本陸軍が勝てるはずがない。
久しぶりに固形のものを食べたら、胃がむかむかして気分が悪くなってきた。あちこちが破れたソファーに寝転び、スマホから、由布さんのサイトにアクセスした。
「由布は、どうして、爆弾に興味があるの?」
「なんの話?」
「サイト名が、Making a Bonbon! でしょ。」
「えっ、ボンボンって、爆発音じゃないわよ。お菓子のボンボンのことよ。チョコレートボンボンってあるでしょ。」
「えっ、そうなの。てっきり、爆弾のサイトかと思った。」
「馬鹿ね。わたし、丹子田町の米軍基地の食堂で働いているの。上杉さんは、何をしているの?」
「無職」
「いくつ?」
「32歳。この前、コンビニを首になった。」
「今、食堂で求人が出ているのよ。上杉さんって、どこに住んでいるの?」
「丹子田町だけど。」
「ちょうどいいじゃない。働いてみない?」
「無理。俺、高校中退だし、飲食店で働いたこともないし。」
「何を言っているの。米軍基地に学歴なんて関係ないわ。最初の6か月は見習い。最初、給料は少ないわ。だけど、その後は、実力や頑張りしだいが、アメリカのシステムよ。給料は思いやり予算で、雇い主は、独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構だけどね。」
「考えておく。」
そう書き込んだけど、米軍基地で働きたいと思った。死ぬことしか考えていなかったが、由布のサイトにアクセスしてから、由布に会いたいという気持ちが心の中を占めるようになった。初めての恋だった。
顔を洗い、鏡を見た。武田の息子にからかわれたのも仕方がなかった。片方の耳は隠れ、片方は出ている。一週間、ひげを剃っていないので、ホームレスのようだ。風呂にも入ってなかったので、身体が臭い。銭湯と散髪に行くことにした。
由布のサイトに書き込んだ。
「今夜、スカイプで話してもいい?」
「いいわよ。10時ね。」
落ち着かない。何を話せばいいんだ。Ananのサイトで、初デートで成功する会話のコツ♡を調べた。10~50代の女性90名に調査した「初デートで盛り上がる話題」の1番は、学生時代の話だった。高校は中退だし、母がいなかったので、自分で作った弁当をからかわれてばかりで、学生時代に楽しい思いでなんて一つもなかった。
二番目は、旅行の話だった。ガソリンスタンドは休日は休めないし、旅行なんて、生まれてから一度もしたことがなかった。
三番目は、共通の話。まだ、チャットで少し話しただけで、共通点が分からない。由布は料理が好きそうだけど、うどんの話は、スルーされてしまった。その他の話題は、動物の話と書かれていたけど、ペットは飼ったことがないし、飼いたいと思ったことはなかった。
アドバイスとして、自分が夢中になっている話は、高感度アップと書かれていた。よし、爆弾づくりの話をすることしよう。
5分前にラップトップの電源を入れて、スカイプにログインしたが、落ち着かない。画面の時計の表示を、ずっと見つめていた。10時きっかりに、ビデオ通話ボタンを押して、由布の連絡先をクリックした。呼び出し音がスピーカーから流れる。3回なったあと、由布と回線がつながった。
画面が切り替わると、ラップトップの画面いっぱいに武田のババアの顔が表示された。
画面を掴み、力いっぱいラップトップを閉じた。夜風に当たりたくなった。窓を開けると、夜間訓練から帰ってきたオスプレイが、低空を飛行しながら滑走路に着陸しようとしていた。ローターでかき回された空気が、窓から流れ込んでくると、部屋の中に埃が舞った。
あちこちが破れたソファーに身体を投げ出し、煙草を咥えた。ライターの歯車に力を入れると、フリントとヤスリがこすれ、小さく火花が散った。
Bon!Bon!
俺の32年の人生は、こうして幕を閉じた。
書いているうちに、あっちにいったり、こっちにいったり迷走した作品です。リアルでは、会話する場面がないのが、残念なところです。向かいにいる羊に話しかけても、草を食べるのに夢中で振り向いてもくれません。会話する機会があっても、うどんとガンダムくらいしか話題がないような気がします。精進するようにいたします。
ワクチンで高熱が出ているのかもしれません。ポカリを飲んで、早く寝ましょう。
じゃ、、、まさか、そんな美人やあらへん。せいぜい、綾瀬はるかぐらいやわ(`・∀・´)エッヘン!!(←今更w
仕事熱心で、性格も良さそうでしょ。
まさか、そんな美人やあらへん。せいぜい、綾瀬はるかぐらいやわと言うべきところです。
まさかそんな美人なわけないデスけども、、、
引き続き、まったりとおつきあいヨロシク━━(✿╹◡╹)人(╹◡╹✿)━━♪
いろいろな本を読んでますね。手塚治虫の画風が苦手で、ほとんど読んだことがないのです。あんぽんちゃんな漫画や本ばかり読んでいます。火の鳥を読んだ時は、なんで鳥がしゃべるんやとレベルの低いつっこみをしていました。二コタの日記では、ただでさえ、文字が多いと嫌われているところです。壮大な話を書こうとすると読者がいなくなってしまいそうな懸念があります。
手塚治虫の「火の鳥」上空に穴が開いてそこからだけ空が見える「大きい穴」でどうしても地上には這い上がる事が出来ない→確かそこで男女が子供を産んで→→その子が火の鳥に乗って地上へ~~~そんな「壮大な」続きはどうでしょう~か?
どの方と同じ年齢でも、立派なおばさんですが、二回りも歳下の彼ができることを鑑みれば、原田知世級の美魔女なのでしょう。そっちの方が驚きです。いつも無礼な発言で申し訳ありませんが、引き続き、この調子でしょう。
mさん
読書家ですね。東野圭吾は、先に書いた容疑者xの献身などのガリレオシリーズと麒麟の翼、同級生しか読んだことがないです。だから、ミステリーは書けないのでしょう。ぐぐっても、蛙が見当たりません。
wineさん
勉強して得することはあっても損することはないと思うので、中学生を叱咤激励しましょう。勉強だけができても、いい人間にはなれないので、掃除、洗濯、料理を手伝わせましょう。
うちの中学生に進学するよう、しっかり勉強してもらおうと思いました。
「時をかける少女」とかね♪
『あの頃僕らはアホでした』は次を期待したけど・・・書けるのは高校大学が精いっぱいでそれから先は個人情報暴露に周りが耐えられない?
あの本、思い出せないけど「永遠の命をえたカエル」→森に住んでたカエルがその地がビル群になっても生き続け→最後「アラ珍しい、こんな所にカエル」
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外国の短編小説
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http://honraku.bbs.fc2.com/?#
この本探してます。で、調べたんですけどねぇ~短編ですからねぇ~わからずじまい(-.-)
来月の誕生日が来たら、この中のおひとりと同い年になります、、、www
環謝のババァですな、、、Σ(|||▽||| )
話の内容よりもこの部分が1番記憶に残ったんですけどwww
大丈夫です。小林君は、二代目引田天功、プリンセス・テンコーの脱出マジックを身に着けているので、オスプレイの格納庫から現れてくれます。なんと、プリンセス・テンコーの時給は、5千万円。5分くらいしか働かないのでしょうか。
少し明るくなったと思ったら、落ちちゃいました((☆´・∪・`))=3フゥ
一度見たら忘れない、印象的な顔だったのでしょう。まるこちゃんで言えば、はまじのお母さんでしょうか。しかし、働き場所を紹介してあげる面倒見のよさもありません。見た目で判断した小林君は、まだまだ、青かったかもしれません。しかし、私もたまちゃんのお母さんの方がいいです。
あくまで、一般人の常識の範囲での夢中になっていることです。お腹が減ったら、ハムスターの餌のひまわりの種を横取りして、ビールのつまみにすることが大好きとか、Tシャツの中を走り回らせて、か・い・か・んと薬師丸ひろ子の物まねすることと言ったら、どんびきされる可能性もあります。
驚いて二度見しなかったのかな
おばさんスカイプできるんだね^^;
なるほど!閃いた!
武田のおばさんのアップが映った瞬間、椅子ごと後ろに倒れ込んだと思います。後頭部を打ち、朦朧としてしまい、今まで気を付けていた煙草に火をつけるという迂闊な行動に至ったのだと思います。武田のおばさんの破壊力は抜群です。しかし、おばさんといっても、57歳高島礼子さん、55歳斉藤由貴さん、51歳石田ゆり子さんです。武田のおばさんの容姿の描写はありませんが、53歳原田知世さんをイメージして書いています。
写実的な表現を用いると、オスプレイの回転するローターによりかき混ぜれたら空気により、一陣の風が吹き、謙信君の部屋に流れ込んだ。その風は、床にこぼれていたアルミニウムや木炭の粉末を空気中に漂わせた。個体は、粉末になると表面積が増え、加速度的に反応が進むことになる。
Fe2O3 + 2Al > Al2O3 + 2Fe 851.5kJ/mol
1molの分子で、851キロジュールの熱量が発生する。その熱量により、さらに反応が進む。煙草に火をつけるために、ライターから飛び出した火花は、マグネシウムやアルミニウムに反応し、テルミット反応がもたらせた高温と高圧が、保管してあった亜硝酸ナトリウムの臨界点を超え、大爆発をもたらした。
昨年8月4日、ベイルートで倉庫に保管していた亜硝酸ナトリウムが爆発し、218人が死亡、7,000人以上が負傷し、最大で30万人が家を破壊されて住む場所を失った。
丹古田町の大半が吹っ飛び、武田のおばさんの家も、跡形もなくがれきになってしまいました。
その崩壊を防ぐ話が、アニメ「君の名は」です。
武田のババアのアップは、迫力あったでしょうね。
Bon!Bpn!
可愛い響きのはずなのに、念入りに準備されて違和感なかったです。
最後の一行
>俺の32年の人生は、こうして幕を閉じた。
どうやって幕を閉じたのか?
気になって、やっぱり全部読んじゃうし (*≧m≦*)
1967年の論文では、縄文人の平均死亡年齢が男性で31.1歳、女性で31.3歳です。小林君も縄文人だと思えば、十分に人生を全うしたと思えるでしょう。網膜に映った最後の女性が、武田のおばさんというのが残念なところです。
mさん
どんな方向を期待していただんですか。米軍基地に爆弾を投げ込んだら、あふがにんすたんの混乱の再現になってしまいます。東野圭吾は、容疑者xの献身が最高傑作でしょう。
もっと違う「方向」を期待してたけどなぁ
やっと再開、開館した図書館で借りた「東野圭吾・回廊亭殺人事件」の展開はどうかなぁ~もしもオモシロかったら、報告しますね~~~
表示された時のシーンを想像し笑っちゃいましたw
32年の人生に幕だなんて寂しいな。
そう、武田のババアは、何も悪いことをしていないのです。上杉謙信君の自爆と言っていいでしょう。歴史上の彼も生涯独身。毘沙門天を信奉する軍事オタクでした。しかし、本物の謙信と違って、最後に、恋を経験できたので、幸せな最後だったでしょう。たまちゃんの年齢は、ベールに包まれたままですが、石原さとみ似のお姉さんだと思っています。
でも確かに、文字のやり取りだけだと年齢はわからないですもんね。
申告してないだけで、嘘ついたわけじゃないし、料理好きのババアならたくさんいるし。
やばっ、私もニコタで実年齢を申告してないから
石原さとみだと勘違いしてる人がいるかもしれない!
あ、でも中身がエロおやじだということは申告してるから罪にならないか。
そして最後のオチのダジャレ、切ないはずの場面を笑わせてもらいましたw
嫌がらせでは、ありませんが、世界に80億人もいれば、不幸続きで運命に翻弄される人もいるでしょう。しかし、目標通り爆発させることができたので、ハッピーエンドと言いていいです。
悲しいお話だね。
32年の人生がつらい物だったんだね。
ちょっと寂しいかな。
危ないところでしたね。タッチの7巻を買ったら、6巻を買うのを忘れていた状態になるところでした。しかし、私の日記は、すっ飛ばして先を読んでも大丈夫です。ストーリーも何もありません。最後の、1行だけ読んでも十分です。
何と、中編もあったので、最初に、中編を読んできましたw
由布さんと知り合えて よかったなぁと思っていたのに
>画面が切り替わると、ラップトップの画面いっぱいに武田のババアの顔が表示された。
なる~ そうきましたか~ 沖人さん
さすがです! (`・д・ノノ゙☆パチパチパチパチ