1353番:さすらいの青春(107)
- カテゴリ:日記
- 2021/10/14 09:16:57
さすらいの青春(107)
—————————【107】——————————
Je sais * que Meaulnes est parti. Plus exactement,
Je le soupçonne de s' être échappé. Sitôt le déjeuner
terminé, il a dû sauter le petit mur et filer à travers
champs, en passant le ruisseau à la Vieille - Planche,
jusqu' à la Bell - Étoile. Il aura demandé la jument
pour aller chercher M. et Mme Charpentier. Il fait
atteler en ce moment.
——————————【訳】——————————
私はモーヌが出発したことはわかっている.より正直に
言えば、モーヌは逃げ出したんじゃないかと疑っている.
昼食が済んだすぐあとで、モーヌは小さな塀を飛び越えて、
畑を突っ切り、ヴィエイユ・プランシュで小川を渡り、ベ
ル・エトワールまで走って行ったに違いない.シャルパン
ティエ夫妻を迎えに行く雌馬をもう注文したかも知れない.
もう今頃は雌馬を車につないでもらっているところだ.
——————————【語句】——————————
soupçonne (1単) <soupçonner (他) 疑う、怪しむ
plus exactement より正しく言えば
soupçonner de + inf ~ではないかと疑う
s' être échappé (複合過去) <s'échapper (de から) 逃げる、
脱走する、立ち去る
sitôt (前) [文語] ~の直後に
Je me lève sitôt le jour venu. / 私は夜明けと共に起きる.
déjeuner (m) 昼食
sauter [ソーテ](自) 跳ぶ、跳ね上がる、飛び降りる
filer (自) 矢のように走る[飛ぶ]、急いで行く
❷(話)急いで立ち去る、逃げ出す
File par la fenêtre ! / 窓から逃げろ!
filer à l'anglaise こっそり立ち去る
ruisseau (m) (pl 注意:ruisseaux) 小川
jument (f) 雌馬
atteler (他) (馬、牛などを、車、鋤などに) つなぐ
——————————【文法】——————————
* Je sais que Meaulnes est parti
私はモーヌが出かたことは知っている.
物語なので、本来は、過去形で語られるところです.
普通の表現なら、過去形にして、
「私はモーヌが出かけてしまったことを知っていた.」
と描写するはずなので、これをフランス語で言えば、
Je savais que Meaulnes était parti.
なんだか、書き換え問題で出題されそうなので、ひとこと:
次のように書いては誤答案になってしまいます:
Je savais que Meaulnes est parti.
(私はモーヌが出かけたことを知っていた.)
私たち日本人の感覚だと、主節、従属節共、時制は半過去と複合過去で、
どちらも過去形だからこれでいいと思いがちですが、
主節が現在形の場合ならば、従属節は、どんな時制が来てもいい
のですが、主節が過去に置かれると、その従属節は
❶ 主節と従属節が同時生起:半過去、もしくは文語で単純過去
❷ 主節よりも過去の場合: 大過去、もしくは文語で前過去
❸ 主節よりも未来: 過去未来(条件法と同じ)
のように、使われる時制が限られます.
きょうの本文には出なかった事柄ですが、仏検受験生の私たちは
ぜひチェックしておきましょう.