「告白」
- カテゴリ:小説/詩
- 2021/10/18 01:17:01
電話のベルが鳴った
あわててスマホを見る
着信履歴がない
イアホンから
竹内まりやの「告白」が流れている
横になったら寝てしまったようだ
少し肌寒い
そのままスマホの電話帳を開く
そして「M」の文字をタップする
初めから6番目の名前を見つめる
最後の電話はいつだったろう
夏の暑い日が浮かんだ
今、何をしているのかな
昨日学内ですれ違ったとき
ニコッと首をかしげたのは何かのサイン
夜の11時半
しばらくあなたの名前を見続けている
そして
ためらいながらあなたの名前を押した
あっ・・・
もしもし・・・
封印
消去できないのは重い記憶だから?
地表に面影が出てくる
秋なら落ち葉で隠すことが出来
冬なら雪で消すことが出来る
でも目では見えなくても
心では見えてしまう
やはり数字とは言え
アドレスは生きている物なのかも知れない
スマホのアドレスには入っているけれど
決してかけてはならない名前が入っています。
この詩を読んで、かけてしまいたくなる気持ちになりましたが、
その言い訳を考えることに躊躇してしまいました。