1403番:ある人生(2)
- カテゴリ:日記
- 2021/10/30 04:46:27
Une vie (2)
知らずに読み始めましたが、これがあの有名な
「女の一生」というモーパッサンの小説なのだ
そうです.
————————————【2】—————————————————
L'averse, toute la nuit, avait sonné contre les carreaux
et les toits.
————————————《訳》—————————————————
突然降ってきた雨が一晩中窓ガラスと屋根を鳴らし
続けていました.
———————————〘語句〙—————————————————
略号説明:(f) 女性名詞、女性形(形容詞などの)
(m) 男性名詞、その他の男性形
√原形(動詞)、原級(形容詞、副詞)
< 基本形、辞書に載る形、単数形
その他は漢字ひと文字で表す.ただし複数形は
(複)と(pl) の両方を用いる.(m/pl) は男性複数
toits のように分かりやすいものは単数形を書きます.
averse (f) にわか雨 *
assuyer une averse / にわか雨にあう
recevoir une averse / にわか雨にあう
sonné (過去分詞) √sonner (自) (鐘・ベルが) 鳴る
carreaux (複) <carreau (m) 窓ガラス
toit (m) 屋根
* にわか雨が一晩降り続けると、それはにわか雨ではないが
形容表現は国によって様々だと思うので、ここでは突然の
雨と訳しました.
———————————≪文法≫————————————————
avait sonné の形は大過去に分類されます.
音を鳴らしていたなら、半過去sonnait を用いるはずですが
半過去という時制は時間限定されると用いることができません.
そこが英語の過去進行形と袂を分かつところ.分かれの一本杉.
ここでは「一晩中」という時間限定(初めから終わりまで)が
付けられていますので、文法上、半過去が使えず、複合過去に
強制送還されるところ.しかしそれでは、情景描写ができない
ので情状酌量されて大過去になっています.そういう判決です.
以上です.
判決後の感想
複合過去は事務手続き表現で、半過去は背景描写がよくお似合い.
期間がはっきりしている情景描写は、大過去へお回りください.