おいかけて
- カテゴリ:小説/詩
- 2021/11/19 10:32:05
ハラハラと葉を散らす
銀杏並木をくぐったのは
いつの事だっただろう
指折り数えてみる
そんな行為も悲しい
失いたくなかったその光景も
時と共に薄れていくのだろう
今はまだ鮮明に浮かぶけど
あなたはもう
忘れているかも
花を追って
紅葉を追って
私達は歩いたものだった
美しいものを心に焼き付けて
お互いを高めていった
きれいだね
あなたは言った
それだけで十分だった
ほかにどんな言葉があろう
私も微笑んだ
夏の始めに
あなたは言った
もう追いかけっこはできないと
自分のことは忘れてほしいと
そう言って寂しい背中が去っていった
今年も来た銀杏並木
あの頃と変わらない
ただあなたがいないだけ
カップル達がうらやましい
まだそこから抜け出せない
銀杏の季節が終わったら
私はどこへ行こう
あなたがいなくなった今
何を求めたらいいのだろう
寂しい背中は何を求めていたのだろう
温もりが欲しい季節ですね。
でもあるのは隙間がぜばかり。
春はまだ、遠いのでしょうか。
冬の風が後を追ってその葉を舞い上げる
そんな今日の風はこんなにも冷たい
心の壁が私を風から支えてくれている
それももう崩れ落ちそう
もうすぐ陽が落ちる
また寒い夜がやって来る
温もりが欲しい
独り凍えている私に
少しだけでも
あなたの