Nicotto Town



傷心旅行3

つづき



          七


何だか汗が首筋を伝っている感覚に目が覚めると、すでに早朝の涼しさを思い出すことも出来ないくらいに真夏の太陽が元気一杯で眩しい高さにまで登ってきていました。

気付いたら周りには海水浴客が沢山おり、水際ではキャーキャー空に抜ける声が聞こえていました。
周囲では、近くでこちらを見て笑ってる若いお姉さんらがいたりで
早速、自分はベットいや砂の山をならして何事も無いふりをしていると、とびっきり上等なベッドで熟睡しているH君を、通りすがりの皆が笑いながら見てい行くのを横目に、自分も仲間だと思われないように少し遠くに離れて知らない人のふりをしていました。


暫くしてH君もその暑さに目が覚めたのか、むくっと首をあげて今の状況を確認しているとその滑稽な光景に更に周りの客らが笑い出しました。

慌ててキョッロキョロしながらこちらを見つけると、「おーい、はずかしいだろう!1人にするなー」ってこちらに走って来ました(笑)


数回こずかれた後、自分はこの後どうする?

H君「そうだなー、海も見たし カレーも食ったからもう満足だ。 少ししたら帰ろうか」って言うので
自分は、そうだねー自由は無限にあるけどなんだか少し家に帰りたくはなってきたね。

ん?いや、でもこれは傷心旅行だ せっかく海に来て女の子も沢山いる 少しあそこの2人組に声かけてみようか! もしかしたら新しい彼女ゲットできるかもよ。

って勧めたのですが、彼は「いいよ、どこに住んでる娘かも分からないし」っと尻込みしていたので あーじれったい じゃあちょっと行ってくるよ!


っと自分はその2人の女の子に話しかけに行きました。 1人の子は恥ずかしそうに逃げて行っちゃったけどもう1人の子は機嫌よく受け答えしてくれました。
その娘らは、地元の高校生でよくもう1人の友人とここに来ていると言っていました。
そして自分は、自分らが今ここに来ている経緯や、昨日から今朝にかけてあった出来事などの話をしたらとっても嬉しいそうに笑っていました。

そこで、もしかしたらあそこにいるH君とお付き合いしてくれる?って聞いたらその子はだまって下を向いていました。

自分はそうだよねー。いきなり電車で何時間も遠くから来たどこの馬の骨とも分からない高校生と付き合うなんてちょっと無謀だよねー。
っと言い、離れて傍観しているH君に こっちきて話しなよ!って言っても
彼はそこから笑いながら首を横に振って手でノンノンの合図をしているだけ。

恥ずかしそうに逃げて離れていた片方の娘も戻ってきて、いい感じだねーヒューヒューってちゃかしていました。

その後、何事もなく彼女らとは別れ、帰りの電車の最前列で行きと同じようにふんぞり返り外の景色を見ながら自分はH君に言いました。

せっかく仲良くなれるチャンスだったのにあれで良かったの? それとも別れた彼女にまだ未練でもあるの?


H君は、「未練はないよ。 でもいいんだよ。 ありがとう。」って

彼は家の方に続く2本の鉄の線の先を、いつまでも見ていました。





令和3年 11月22日






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2021/12/01 13:40
満花さん> コメありがとうございます。パノラマカーで通勤とはすごいお嬢様なのでは・・・あ、良く見てみると過去の記憶ではDXだと思っていましたがもしかしたら、7000系だったかも#^^)
確かに乗り放題で特急は無理そう? (^^; まあ、その辺りはうろ覚えだったので
しかし、あのメロディーホーンは聞くと今でもウキウキしてきますよね。 橋の上を車で運転してたらあのメロディーで追っかけられた事もありますがw
歌詞が、どーけーよーどーけよー・・・だったかは不明です(爆笑) 地元がばれるwww
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2021/11/30 23:58
りょうちんさん、こんばんは!
なかなかコメント残せなくてごめんなさい…;
パノラマカー(?)、海水浴場、、なんだか風景が目に浮かんだような気がします(^^ゞ
真っ赤な車両の鉄道…あ、特急だったら白ですかね;一緒かどうかわからないけれど、パノラマカーの先頭は特等席ですよね!わたしはそれに乗って学校に通っていた時期があって、何気に好きでした♪
海辺って 解放感がありますよね(*^^*) わたしも講義さぼって海辺に遊びに行った記憶がありますw まぁ…足をつける程度でしたが(*´艸`)
素敵な青春の1ページのおすそ分け、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*)
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2021/11/30 21:52
すいすいマリンさん> はい。若さ馬鹿さ故のw ん?いやいや女の子は野宿は危険ですよ今でも、それを差別というなら風呂もトイレも同じにせねばなりませんからね。(^^;
そうですね。この文章は公には出せそうにはありませんが、一応、今回は放送禁止ワードにはひっかかりませんwww
でも、当時は酒もタバコもやらないやつは一丁前の男とみなされない世の中でしたし、平日に仕事を休んで遊んでるやつは人間扱いされない圧力感がありましたね#^^) すごい世の中の変貌に皆さんよくついていけてると感じます。 人間ってすごい? それとも・・・
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2021/11/29 20:03
若さゆえの冒険ですね、いや、若くても女の子は野宿は無理かも?
(っていう言い方はしてはいけないのかしら><)
りょうちんさんの物語りなので霊的な不思議系かと思ってましたが
青春の1ページのお話しやったんですね~

未成年のお酒とたばこはイケませんぞ~もう時効かな?
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2021/11/27 23:04
キルミスターさん> 今回は長文になってしまいました(^^; 遠い日の思い出ですが、何でも初めてやる時っての強いですね。知らないからできる事も沢山ありますね。 バカだったから出来たかもww

kiriさん> へー、ツェルトって色んな形のがあるのですね。コンパクトでとっても便利そうですね。(^^)
残念ながら自分たちは当時超能力を持っていなかったので、ボストンバックで寝る事はできませんでした。
そう。エスパー伊藤のような超能力を・・・(爆笑)
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2021/11/27 10:46
おはようございます^^
私が高校生のときにはツェルトという非常用テントがあって、山へ行くときはかならず携帯しろって言われてました。ポールもないから小さくたためます。
せっかくナンパに成功したのに、高校生のときってそんなものですね。
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2021/11/26 23:39
やっと最後まで読みました^^
青春!ですね~。あのころでないとできなかったあれやこれや。
H君のハート♡ブレイクも癒されましたねw
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2021/11/26 22:13
ねこっとさん> 当時、最新式の超小型テントも有るのかな?っと思いましたがそれ以上追求はしなかったのです(^^;
そうですね。木の根っこや石ころまるけの所で寝るとめっちゃ背中痛くなりますよね#^^) 布団って偉大な道具だと初めて気づきました(笑)

まいまいさん> ありがとうございます。まいまいさんも、ザ・青春!ナーウ!って感じだったんですね。
まあ、お話にするとドラマチックですが、今考えるとむちゃくちゃな無計画な若者ではなくバカ者だったと・・・自負しております(嘘) 今では絶対無理ですねw (^^;
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2021/11/26 19:22
すごく面白かったです!一気に読んでしまいました♪
高校時代は、私もザ・青春!って感じに過ごした方だと思いますが、そんな突拍子のないドラマチックな経験はなかったです^^;
素敵なお話、ありがとうございます〜♪
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2021/11/26 06:41
高校版スタンバイミーかなw
しかし、テントについてはすぐに気づきそうですが・・・思いこみですかねー
若くないとできない経験・・・。下が硬いところで寝ると、今のぼくだと身体中痛くて大変なことになるでしょう(実際、30代ですら、キャンプでマットがないとそんなことになりましたので・・・)。
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2021/11/23 18:15
頑固な撲さん> そうですね。来たことのない所も魅力的ですね。乗り放題ならw まあ当時は海も頑張った方でした。今ならもっと遠くの海へ 例えば海王星あたり・・・は無理!?(^^; 絶対水凍ってそうですよねwww
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2021/11/23 15:30
わかりますし ありそうな旅 でも自分は とにかく遠くに行きます 乗り放題なら いこうとおもったことない所に 来たんだと それだけで喜びを感じて 青春時代の記念にします 失恋お経験なし片思いだけで クラブ活動に明け暮れてた時代の思い出には



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