キラキラ、イチョウの黄葉、秋との和解 1
- カテゴリ:タウン
- 2021/12/12 07:10:05
仮想タウンでキラキラを集めました。
2021/12/12
集めた場所 | 個数 |
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ペット海浜公園 | 5 |
ビーチ広場1 | 5 |
四択 本。
(この四択は、わたしもそうだ、アマゾンでは主に本を買う。中古などで市販で手に入りづらいものを)
もう一週間以上前のことだが、スマホに入ってくる情報で、野川公園のイチョウの黄葉が見頃だとあるのに目がとまった。。調布市経済新聞の記事が元だ。写真は色づいたイチョウと、葉の絨毯が拡がって、空から足元まで、一面の黄色が神々しいほどだった。
それを見かけたのが12月3日の金曜日。なので土曜日の12月4日に見に行くことにした。
野川公園は今回で三回目。一度目はかなり前に、桜を観に行った。二度目は去年の秋、彼岸花の群生が見事だというので。桜と彼岸花。桜を見た時は、彼岸花のことは知らなかったし、彼岸花の時も、イチョウのことは知らなかった。連続性がない。訪れた季節が違うからか。同じ公園なのになあと、そのことがすこしおかしい。
野川公園はうちからちょうど十キロほど。調布、小金井、三鷹にまたがる都立公園。園の南側に芝生広場やバーベキュー広場などがあり、公園の東西を走る東八道路を挟んで北側が野川、そして国分寺崖線の作り出す湿地や、池、ホタル生育も試みられている自然観察園となっている。
今回も車で出かけた。家から比較的近い、十キロほどということもあって、つい家を出るのが遅くなってしまうのも、毎度のことだ。早朝バイトをして、お昼ご飯を食べてからだから、という言い訳も成り立つけれども、家を出たのは午後一時台、二時近かった。うちの駐車場前の公園の藤が黄葉している。藤の葉はあんなに美しく染まるのか。なぜ気づかなかったのだろう。藤の花は好きで、花の頃はよく眺めていたというのに。たぶん秋という季節に今まで関心をもっていなかったからだろう。
野川公園まで、どうやって行ったのか、ほとんど寝てしまっていて、わからなかった。気がついたら着いていた。駐車場に車を停め、南側から入る。
去年彼岸花をみた時以来だが、あの時は公園の北側の自然観察園が目当てだった。今度はどこだろうか。簡単にしか情報を得ないで来たので、イチョウが公園のどこにあるのかわからなかった。けれども、すこしの謎のまま、探すのも楽しいと思った。ともかく、黄色いかたまりを探そう、わくわくしながら、辺りを見回す。バーベキュー広場にはなかったが、前回来た時はコロナウイルスの影響で、人がいなかったけれど、今回はけっこう家族連れなどが見受けられた。お肉や野菜などを焼いて、いくつかテントやターフなどもあった。こうした休日がそれでも戻りつつあることに、ほっとする。
黄色いかたまりは、木々のむこうに見つかった。なんだ、わりと近いなと、すこし残念な気持ちになっていることがおかしい。木々を抜けると、イチョウの深紅ならぬ深黄。ソースとなったニュースは十一月末の写真を使っていた。それよりも一週間ぐらい経っていたから、最盛期は過ぎていた。いくぶん黄色が褪せている。それをかすかに残念に思ったが、落ちた黄色い葉たちを踏んで近づく。かさかさとやわらかな、こわれる音がやさしい。黄色、黄色が足元でやぶれてゆく。感触と、足元の黄色、そして大きなイチョウの黄葉たち、それらすべてのなかにいて、なにかつつまれるような感覚がやさしかった。桜の満開や、彼岸花の満開とちがう。満開の花たちは、それぞれおもむきがちがうが、いくぶん狂躁的なものが混じる。けれども花ではない、枯れた葉たちだからだろうか。あざやかさのなかにも、静かな気配があった。色づく葉たち、黄葉、紅葉は、二度目に咲く花のようだと思っていたが、やはり違いはあったのだ。寒さに向かうため、生を休めるために葉を落とす。対して花は次の生のために、あざやかになる。そのちがいのせいだろうか。あるいは秋という季節は、なにか生が停止するためのような気がするのだ。葉が落ちたあとの樹木たち、冷たい外気が、いっそうそう思わせる。だから秋が苦手だったのだが。
そういえば、こんなにイチョウたちの黄葉に接したのははじめてだった。今までも、どこかで見たことはあったが、こんなに心に響かなかった。それはこちらの心持ちのせいだ。以前よりも秋が、冬が、嫌でなくなっているから。ああ、苦手をなくすということは、こういうことなのかとうっすらと思う。
イチョウの深黄たちを歩く。スマホで写真を撮る。あとでみると、意外と黄色があざやかに空に映えているのに驚く。いや、褪せていると思ったのは最初だけで、黄色のとりこになっていたから、あるいは実際もそうだったのかもしれない。
イチョウとちがう黄色く色づく大きな木があった。クヌギと幹に名札がかかっていた。縄文時代の人々が食したドングリのなる木のひとつでもある。こんなにあざやかだったのか。黄色い大樹に時を思う。
(この項続きます)
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