1495番:アルト・ハイデルベルク(109のB)
- カテゴリ:日記
- 2022/01/02 22:17:54
109のAからつづく
アルト・ハイデルベルク(109のB)
das geht immerfort gegen mich ! / 私はついてない!
geht (3単現) <gehen は物事が[…に]進む、運ぶ、
gegen sich gehen (成り行きが) その人に裏目に出る
immerfort (副)[やや古語] 絶えず、常に
Keulenschlägen <der Keulenschlag (変E) 決定的打撃、棍棒の一撃
angstvoll (形) 不安でいっぱいの、ひどくおどおど[びくびく]した、
devot (形)[文語] ①恭順な、②卑屈な
geschehen (自) 起こる、生じる、
(Dの)身に起こる、に降りかかる
三変化:geschehen geschah geschehen
主語は3単のみ、現在3単:es geschiet
abgesperrt <ab/sperren (他)[A道路などを] 閉鎖する、遮断する
die Unglücksstelle abgesperren
事故現場を通行禁止(立入禁止)にする
die Gnade (nタイプ) 好意、親切、慈悲、温情
die Gnade haben zu + 不定詞 恐れ多くも~する
Se. Hochfürsttliche Durchlaucht 大殿下(カールスブルク国王)
Se Durchlaucht 殿下(カールスブルク国皇太子)
geleiten (他)[文語] [Aを方向詞へ] 送っていく
der Hof (変E) 廷臣(この意味では単数のみで、集合名詞)、宮廷、宮殿
anwesend (形) 出席している、居合わせている
der Adjustant (enタイプ)[アトユタント] (軍事) 副官
Se. Exzellenz (Seine Exzellenz)閣下、ここでは宮内大臣閣下
恐らく城を留守には出来ないので国務大臣は城に残ったと推定する.
der Herr Hofmarschall 侍従長殿、式部卿殿
der Staatsrath <der Staatsrat (変E) ①枢密院、②枢密顧問官、参議官
v.Giesebrecht (人名) フォン・ギーゼブ゙レヒト
der der Präsident (enタイプ) ①大統領、②長官、ここでは②の長官
v.Júrgens (人名) フォン・ユルゲンス
der General (Eタイプ) 陸軍大将
(空軍大将を指すこともあるが、この作品が書かれた1901年にはまだ
飛行機はありませんでした.ライト兄弟の飛行実験は1903年12月)
v. Lachner (人名) フォン・ラハナー
u. s. w. (略)などなど、等々 √und so weiter
reservirtes (形、過去分詞)<reservieren (他) (Aを) 予約する
das Coupé (古語)(sタイプ) (列車の) コンパートメント
steigen (自/s) 移動する
trete (1単現) <treten (自) […へ、から] 歩み出る、入る
Sr. =Seiner これはCoupé にかかっているため Se がSr. と
なったもの.(中性2格)
der Befehl (eタイプ) 命令
mit zitternder Stimme 震える声で / die Stimme (en タイプ) 声
zitternd (現在分詞) + er (強女3) <zittern (自) 震える
beugt sich <sich beugen 身をかがめる
Lassen Sie das ! そんなことはやめなさい! 放っておきなさい!
<lassen (他) Aをやめる
ohne auszufallen 中断することなく、妨げられることなく、
aus/fallen 中止になる、運休になる、突然止まる
Bediente (m/f) (形容詞変化をする) ここでは強変化N格
意味は(m)のときはBediener 下僕、召使い
(f) のときはBedienerin 女中、家政婦
尚、G格ですが、ここでは dieses dicken Menschen が
Bedienter に先行しています.おそらく次の wäre の直前に
Bedienter を置くためなのでしょう.
Bedienter wäre ! 召使いなのか!というルッツの憤りが伝わって
きます.
verlegen (形) 当惑した、困惑した
————————————《お忍びで》———————————————
定訳本ではohne auszufallen の訳を「お忍びで」としています.
(公務に)患わされず、ということで、それが当を得た訳なのでしょう.
ちなみに「アクセス和独辞典」で「お忍びで」を引くと inkognito で
「お忍びで旅行する」は inkognito reisen
なので、ユットナー博士のセリフを言い換えると、
Se. Durchlaucht wünscht inkognito zu reisen !
殿下はお忍びでの旅行をお望みだ!
番匠谷版の訳は「殿下はお気楽な旅行をお望みだからな」
いずれにせよ、「公務から解放された旅行」という趣旨に沿った
訳が大切と思います.
—————————————《文法》———————————————
1:現在形
*) Der Zug kommt, / そこへ列車がやって来た.
kam ではないので、正しくは、「列車がやって来る」のはずです.
なぜ現在形なのか?
それは臨場感を出すため、と言われています.
過去の叙述でも、臨場感を出すために現在形で描写されることがしばしば
あります.訳す場合は、逆に過去形に戻した方が分かりやすいかも知れま
せん.固形のインスタント味噌汁をお湯で戻すように.
2:分離動詞 steige…aus <aus/steigen 降りる
ルッツのセリフで Ich steige aus meinem Coupé, ich trete an
Sr. Durchlaucht Coupé….
がありますが、[aus/steigen 降りる] というこの動詞を適用して
訳されている訳本もあります.(旺文社文庫版)しかしここでは
分離動詞ではなく、単にsteigen (移動する)と受け取り、aus は
自分の客室「から」移動する、と解釈した方がいいと思います.
つまり、ルッツは、ホームに降りたのではなく、列車内の通路を
通って、ユットナー博士たちの客室に行った、という受け取り方
でいいと思います.
定訳本ではohne auszufallen の訳を「お忍びで」としています.
(公務に)患わされず、ということで、それが当を得た訳なのでしょう.
ちなみに「アクセス和独辞典」で「お忍びで」を引くと inkognito で
「お忍びで旅行する」は inkognito reisen
なので、ユットナー博士のセリフを言い換えると、
Se. Durchlaucht wünscht inkognito zu reisen !
殿下はお忍びでの旅行をお望みだ!
番匠谷版の訳は「殿下はお気楽な旅行をお望みだからな」
いずれにせよ、「公務から解放された旅行」という趣旨に沿った
訳が大切と思います.
—————————————《文法》———————————————
1:現在形
*) Der Zug kommt, / そこへ列車がやって来た.
kam ではないので、正しくは、「列車がやって来る」のはずです.
なぜ現在形なのか?
それは臨場感を出すため、と言われています.
過去の叙述でも、臨場感を出すために現在形で描写されることがしばしば
あります.訳す場合は、逆に過去形に戻した方が分かりやすいかも知れま
せん.固形のインスタント味噌汁をお湯で戻すように.
2:分離動詞 steige…aus <aus/steigen 降りる
ルッツのセリフで Ich steige aus meinem Coupé, ich trete an
Sr. Durchlaucht Coupé….
がありますが、[aus/steigen 降りる] というこの動詞を適用して
訳されている訳本もあります.(旺文社文庫版)しかしここでは
分離動詞ではなく、単にsteigen (移動する)と受け取り、aus は
自分の客室「から」移動する、と解釈した方がいいと思います.
つまり、ルッツは、ホームに降りたのではなく、列車内の通路を
通って、ユットナー博士たちの客室に行った、という受け取り方
でいいと思います.