読書の冬
- カテゴリ:日記
- 2022/01/23 14:33:37
旅行に出かけるわけにもいかなくなったので、
大きな書店に行って、新書や文庫を買い込んできました。
お仕事関係の本が中心ですが、
趣味的な本も買ったので、そちらの方をご紹介。
まず、NHK・Eテレの『100分de名著』の
1月号のテキスト『金子みすゞ詩集』。
いつの頃だっただろう。
2008年頃ではなかったかしら。
まだ夜行快速「ムーライトながら」が走っていた頃、
青春18切符を使って関西に向かい、
京都から山陰本線に入って、出雲大社で一泊。
出雲大社をお詣りした後、さらに西へと向かい、
山口県の仙崎に一泊して、金子みすゞ記念館を訪ねたのでした。
金子みすゞの生家は、仙崎で書店を営んでおり、
その書店を当時のように再建してみせた記念館でした。
テレビとテキストで、
もう一度金子みすゞの世界を振り返ってみたいと思います。
次に私が偏愛してやまないポーランドのSF作家、
スタニスワフ・レム『ソラリス』が文庫本になっていたのを発見して購入。
これで『ソラリス』は、
飯田規和訳『ソラリスの陽のもとに』ハヤカワ文庫版、
沼野充義訳『ソラリス』国書刊行会版、
そして、その文庫化であるハヤカワ文庫版の3冊を所有していることになります。
今回の文庫版は、レム生誕100周年(1921年生まれ)の限定カバー。
『ソラリス』が、単なるSFファンのみならず、
世界中で多くの読者を獲得しているのは、
この物語は、「人は人の何を愛するのか」という問いを、
否応なく読者の内に想起させるからだと言えるでしょう。
(作者であるレム自身は、この作品をそのように理解されるのが不本意なようですが)。
そのような哲学的思考実験のような物語が、
惑星ソラリス観測ステーション上において展開していくのです。
最後は、アルベール・カミュの『ペスト』。
コロナ禍の影響で、世界中で読み返されている『ペスト』。
日本においては、従来の宮崎嶺雄訳の新潮文庫版が出版されていたのですが、
それに加えて、三野博司訳の岩波文庫版と中条省平訳の光文社古典文庫版が
2021年に新訳として出版されたので、購入してきました。
(新訳の出版が、コロナ禍と重なったのは偶然のようですが)。
また、2018年、
NHK・Eテレ『100分de名著』で『ペスト』が取り上げられた際、
そのテキストだったものを大幅に加筆修正した、
中条省平の『果てしなき不条理との闘い』も入手。
そういえば、『ソラリス』も、
NHK・Eテレの『100分de名著』で取り上げられていました。
『100分de名著』のスタッフたちのアンテナは、
良い感度と趣味をしていると思います。
コメント、ありがとうございます。
スタニスワフ・レムは、ポーランドの人で、
原作もポーランド語で書かれています。
未読ですが、ぜひ読みたいと考えています。