2022-4冊目
- カテゴリ:日記
- 2022/02/01 00:21:39
「ニムロッド」 上田 岳弘 著
発売直後か、2年前ぐらいに1回読んだ本であった。記憶もあまりなく読み始めて、気が付いた。IT企業に在籍する主人公、中本哲史が、レンタルサーバーのメンテナンス以外に余剰サーバーで仮想通貨(ビットコイン)を掘るというのが、その頃は何とも先進な内容で驚いた。1年先輩の荷室仁、自称ニムロッドと中本の恋人、田久保紀子のそれぞれの人間性が描かれている。
小説ダメな飛行機のコレクションをいつも送ってくれるニムロッド、飛行機なのに全然飛べない設計ミスの飛行機や、片道分しか燃料が入れられず戻れない飛行機(桜花)など、欠陥だらけ間違いだらけの飛行機たち。まるでミスを犯す人間のようだ。
ミスを犯かせない「デジタル人間」化されていく今日この頃の人間たちへ、ニムロッドはダメな飛行機を通じて警告していたのではないか。コンピュータや機械で何事も便利な世の中になってきてはいるが、人間らしさを取り戻す必要があると。
仮想通貨は、人が欲しいと思うから価値が出るので、実体のないものへは普通投資しない。何らかの魅力があるから欲しがる人がいて価値が上がるのだという。ちなみにビットコインは、サトシ ナカモト氏によって作られ運用が開始されたそうだ。
小説内のニムロッドはその人(サトシナカモト)であり、最後の人間の王として片道の燃料しか積めないダメな飛行機(桜花)で太陽に向かって東方洋上に去る。これはつまり自殺ということか・・・。考え方が神経質で難しい。物事をあまり深く考えない自分では、共感するよりそんなことはないよと言いたい。
私もご支援に伺いますから頑張ってくださいね。
きっと、あちらからチャーリー君も
時々ちら~~~~~~と覗きに来るかも?