大学2年の時に、中古のインテグラを買い、1年でぶつけて廃車にして以来、車を乗り継いできたが、レガシーちゃんが、一番愛着のある車になった。しかし、走行距離が13万キロを超え、そろそろ転勤になりそうなので、先月末に手放した。

3月の連休、最後のドライブに、とりあえず実家に向かった。新東名をぶっとばし、とりあえずタバコ休憩にＳＡに入る。海老名のメロンパン、談合坂の信玄餅、長島の天むすなど、とりあえず名物を食べながら運転していたら、明石海峡大橋を渡るころには、お腹がぱんぱんになっていた。

実家に帰り、翌日、尾道に向かった。昭和の雰囲気を色濃く残し、ロケ地として有名な尾道は、坂と夕日の街。レトロな街並の中を小道が行き交い、路地裏を歩いていると猫の気分になれる。

瀬戸内海を眺めることができる古民家カフェも多いが、アーケード街に懐かしい雰囲気の喫茶店があったので入った。

コーヒーを飲みたかったのだが、メニューに書かれている餅入り善哉にも惹かれる。迷った時は、両方である。店員さんに、珈琲はいつお持ちしますかと聞かれて、最初にと答えたら、善哉に煎茶が付いていて失敗をした。

しまなみ街道を渡って、瀬戸内海にかかっている橋をコンプリートする予定だったが、足利義昭が落ち延び、坂本龍馬がふらふらしていた鞆の浦まで足を伸ばしたら、瀬戸大橋に戻る方が近くなってしまった。

翌日、母が、どこかに連れていけというので、香川と徳島の県境の山奥にある88番札所の大窪寺に向かう。山道をうねうね走りたどり着くと、境内は閑散としていた。

香川県民は、真面目にまんぼうを守っているのだと感心していたら、お寺の近くにあるうどん屋「八十庵」の周辺に人だかりができていた。お遍路は我慢できても、うどん屋は、我慢できないのであろう。

このうどん屋さんは、根菜たっぷりのしっぽくうどんが名物で、イノシシの肉入りが人気。普通盛りでも一玉半くらい入っているから、満腹になる。

そんなふうに、先月、四国を満喫したのだが、入院していた父が亡くなったと母から電話があり、急遽、四国に帰った。

コロナのおかげで、近親者のみ、通夜は9時まで、初七日後の精進落としは、お膳を持ち帰ってもらうと、とても簡素なものになった。

しかも、ニコタのおかげで、喪主の挨拶のオチはどうしようか、笑いはどこに入れればいいのかと考えているうちに、坊さんのお経や説法は、頭の上を通り過ぎていき、あっと言う間に葬儀は終わった。中身はどうあれ、3000字以内には、収まっていたと思う。

さらに、浄土真宗は、亡くなると直ぐに成仏するので、喪に服するという概念がない。レガシーちゃんは、無くなったが、電車で旅をすることにしよう。