1589番:さすらいの青春(125)
- カテゴリ:日記
- 2022/05/03 21:34:42
さすらいの青春(125)
——————————【125】———————————————
J'imaginais le roulement de voiture qui s'arrête-
rait soudain devant la porte. Meaulnes sauterait de
la carriole et entrerait comme si rien ne s'était
passé... Ou peut-être irait-il d'abord reconduire la
jument à la Belle-Étoile;et j'entendrais bientôt son
pas sonner sur la route et la grille s'ouvrir...
———————————(訳)———————————————
私は門扉の前に、突然車の音が止まるのを想像して
いた.モーヌが軽馬車から跳び降りて、何事もなかっ
たかのように、入って来るかも知れない...あるいは
もしかしたら先に馬をベル=エトワール農場に送り届
けたかもしれない;それからほどなくしてモーヌの
通りを歩く足音が響いて、格子門が開くはずだが...
——————————〘語句等〙——————————————
◉ 使った辞書:クラ仏4版、
ロワイヤル2版、Le Robert poche-2019
imaginais (半過去1単) <imaginer [イマジネ](他)
想像する、思い描く、仮定する
Cela dépasse tout ce qu'on peut imaginer.
それは想像を上回る.
imaginer + 直接目的 + 属詞
…を~だと想像する、考える
Je l'imaginais plus âgée.
私は彼女をもっと年をいっていると思っていた.
roulement [ルールマン](m)❶転がすこと、回転
❷車の走る音、車輪の響き、連続音
sauterait (条件法3単)<sauter (自) 跳ぶ、
跳ねる、飛び降りる
carriole [カリョール](f):Petite charrette (軽2輪馬車)
irait (条件法現在3単) <aller
reconduire (他) ❶(家まで) 送って行く、
(客を戸口まで) 見送る
Il reconduit la jeune fille chez elle.
彼はその娘を家まで送っていく.
Il a reconduit son invité (jusqu'à la porte).
彼は客を戸口まで見送った.
peut-être 多分、おそらく、あるいは…かもしれない
jument (f) 雌馬
bientôt ❶間もなく、やがて、❷すぐに
①dans un proche futur.
②(littér) En un court espace de temps
————————≪文法≫———————————————————
本日の箇所は条件法が出てきます.この用法には
いろいろあるのですが、本日の例は、過去に置ける
推量です.見分け方は:
J'imaginais これは半過去(不定詞語尾erが脱落)
「ぼくは思い描いていた」
Meaulnes sauterait de la carriole et entrerait
そしてこの文は「ぼくが思い描いていた」その内容です.
ここに条件法が出ています.
sauterait de la carriole(モーヌが)
馬車から飛び降りるはずだ.
「~はずだ」だけなら単純未来とかdoit (devoir) が
使われるところ.しかしこの文は
「ぼくは思い描いていた」その内容
だから時制の影響を受けて「過去」に支配されます.
ということで、「単純未来」→「過去未来」という具合に
過去色に塗り替えられました.条件法は「過去未来」を
受け持ちます.条件法を市役所とすると、過去未来は
その建物の中の「過去未来係」が担当しています.
☆ご注意:条件法では不定詞の語尾部分の
発音(er) は [e] の音が
脱落して軽音になります.
arrêter [アレテ] → arrêterait [アレトレ] (アレテレではない)
sauter [ソテ] → sauterait [ソトレ] (ソテレではない)
entrer [アントレ] → entrerait [アントルレ] (アントレレではない)