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『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』

今日のお昼に、小説日記書くぞ!という意思表明記事を書いたばかりだが、さっそく大学の帰りに一冊読み終わったので、忘れないうちにパソコンをカタカタ。



島本理生(しまもとりお)さんの、『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』を読んだ。

初版は2020年4月。割と最近だった。

本屋で小説を買う時、大体の人がするであろう裏表紙の梗概チェック。私もそれは例に漏れない。

「知世」という女性と「椎名さん」という男性による恋愛小説であることは、読んで字の如くといったところだったが、最後の方に「ある日、彼が抱える秘密を打ち明けられる。」と書かれていて、それが気になって購入に至った。


いざ読むかと目次を開いてみて、驚いた。あまり見たことが無いような章タイトルだったからだ。


「桜、生しらす、春の海」
「SL列車、永い夜、鹿と目が合う」


といった具合で、もちろんその章に登場するものが書かれているが、なかなか面白い章タイトルだと思った。読み進めている中で、章タイトルの箇所に当たったときは思わずニヤリ。


知世と椎名は序盤から結構いい雰囲気で、割とトントン拍子で二人の仲は縮まっていった。私としては、『図書館戦争』のような周りが「はよくっつけや!!!」と思うような、じれったい恋愛が大好物(フィクションに限る)なので、「あ、もうそんな…展開はや…」と思ってしもうた。知世と椎名以外にも、知世の友人に関する話もあるが、そこでも浮気やらなんやらですぐキスをしたり寝たりする。フィクションなんだからいいだろと言ってしまえばそれまでです。はい。完全に私の好みの話です。はい。
まぁ、『図書館戦争』はシリーズものだからね…。同じにしちゃダメだね。すみません。


読み始めてからしばらく経つと、裏表紙の梗概なんて結構忘れてしまうタイプだから、「それ」が訪れた時にはドキッとしてしまった。


椎名は、エイズだった。


エイズというと、SAOのユウキが一番最初に思い浮かぶが、なかなか身近に感じづらい病気ではないだろうか。

血液・体液を介して感染するため、意中の相手がエイズだった場合の心境と言ったら複雑極まりないかも。もちろん、エイズである本人も。


私がもし知世と同じような状況に陥ったら、どんな選択をするだろうか。姉が結婚したから、子どもに関しては姉に託すとして…。んー、難しい(そもそも出会いがあるかも分からないだろっ)。


私はまだまだがきんちょだから、大人の恋愛とかまだ分からないし、そもそも大人の恋愛ってなんだ?って感じではあるけど、結婚するとなったらやはり大人にならなければならないことは出てくるはず。

相手への不満とか、ある程度は我慢しなきゃいけないんだろうけど、ちゃんとその不満を口に出して意見をすり合わせる必要がある。私の凝り固まった我慢癖、なんとかして揉み解さないとまずいかもしれない…。相手に気持ちを伝えるのって、難しいよね。


めっちゃ性格悪い知世の妹、最初は知世の話に出てくるだけだったのに凄まじい嫌悪感を与えてきたけど、最終的には(若干)丸くなって良かった。姉がしっかりしてないから自分が親の期待に応えなきゃいけないって、気張りすぎていたんだなって分かった時は、ちょっとどころかかなり共感するところがあって親近感湧いたし。性格は悪いけど。


ちょくちょくお腹が鳴りそうなくらい、美味しそうな食べ物がポンポン出てきて、私はお酒あまり飲まないからあれだけど、酒飲みにはたまらん描写も頻繁にあった。
文章表現も結構巧みで、登場人物の心情とリンクさせた描写(悩みを抱えた知世の友人、茉奈が、悩みを解消した時に「台所に立ったまま歯を磨いた。うがいをすると、小さな鯛の小骨が奥歯から取れた」など)が巧妙だった。


初めて島本さんの作品を読んだけど、また違う作品も読んでみたい。

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