日本で一番大切にしたい会社 1
- カテゴリ:日記
- 2022/06/08 15:12:42
坂本 光司さんの「本」
「日本で一番大切にしたい会社 1」
の一部を紹介したいと思います。
「社員の7割が障害者の会社」
従業員約五〇名のうち、およそ七割知的障害をもった方々で占められている
神奈川県川崎市のその会社は、多摩川が近くに流れる、静かな環境の中にあります。
この会社こそ、日本で一番大切にしたい会社の一つです。昭和一二年(一九三七)
に設立された「日本理化学工業」は、主にダイレクトチョーク(粉の飛ばない
チョーク)を製造しており、五十年ほど前から障害者の雇用を行っています。
そもそものはじまりは、近くにある養護学校の先生の訪問でした。昭和三四年
(一九五九)のある日、一人の女性が、当時東京都大田区にあった日本理化学工業を訪ねてきたそうです。
「わたしは養護学校の教諭をやっている者です。むずかしいことはわかっておりますが、今度卒業予定の子どもを、ぜひあなたの会社で採用していただけないでしょうか。大きな会社で障害者雇用の枠を設けているところもあると聞いていますが、
ぜひこちらにお願いしたいのです」
障害をもつ二人の少女を、採用してほしいとの依頼でした。
社長である大矢泰弘さん(当時は専務)は悩みに悩んだといいます。
その子たちを雇うのであれば、その一生を幸せにしてあげないといけない。
しかし果たして今のこの会社に、それだけのことができるかどうか・・・・・・。
そう考えると自信がなかったのです。
結局、「お気持ちはわかりますが、うちでは無理です。申し訳ございませんが
・・・・・・」
しかし、先生もあきらめず、またやって来ます。また断ります。またやってきます。それでも断ります。
3回目の訪問のとき、大山さんを悩ませ、苦しませていることに、その先生も
耐えられなくなったのでしょう、ついにあきらめたそうです。しかしそのとき、
「せめて願いを一つだけ」ということで、こんな申し出をしたそうです。
「大山さん、もう採用してくれとはお願いしません。でも、就職が無理なら
、せめてあの子たちに働く経験だけでもさせてくれませんか?そうでもないと
この子たちは、働く喜び、働く幸せを知らないまま施設で死ぬまで暮らすことになってしまいます。そうでもないとこの子たちは、働く喜び、働く幸せを知らない
まま施設で死ぬまで暮らすことになってしまいます。私たち健常者よりは、平均的にはるかに寿命が短いんです」
頭を地面にこすりつけるようにお願いしている先生の姿に、大山さんは心を打たれました。「一週間だけ」ということで、障害をもつ二人の少女に就業体験をさせてあげることになったのです。
「私たちが面倒をみますから」
就業体験の話が決まると、喜んだのは子供たちだけではありません。先生方はもちろん、ご父兄たちまでたいそう喜んだようです。
会社は午前八時から午後五時まで。しかし、その子たちは雨の降る日も風の強い日も毎日朝の七時に玄関に来ていたそうです。
お父さん、お母さん、さらには心配して先生までいっしょに送ってきたといいます。親御さんたちは夕方の三時くらいになると「倒れていないか」「なにか迷惑をかけていないか」と、遠くから見守っていたそうです。
そうして一週間が過ぎ、就業体験が終わろうとしている前日のことです。
「お話があります」と、十数人の社員全員が大山さんを取り囲みました。
「あの子たち、明日で就業体験が終わってしまいます。どうか、大山さん、
来年の四月一日にちから、あの子たちを正規の社員として採用してあげて
ください。あの二人の少女を、これっきりにするのではなくて、正社員として
採用してください。もし、あの子たちにできないことがあるなら、私たちが
みんなでカバーします。だから、どうか採用してあげてください。」
これが私たちみんなのお願い、つまり、総意だと言います。
社員みんなの心を動かずほど、その子たちは朝から就業時間まで、何しろ一生懸命働いていたのです。
仕事は簡単なラベル張りでしたが、十時の休み時間、お昼休み、三時の休憩時間にも仕事に没頭して、手を休めようとしません。毎日背中を叩いて、「もうお昼休みだよ」「もう今日は終わりだよ」といわれるまで一心不乱だったそうです。
ほんとうに幸せそうな顔をして、一生懸命仕事をしていたそうです。
m(_ _)m
はい、今度本屋さん寄ることがあったら探してみます。
コメントありがとうございます。
そうでしょう。この本は、本当にすばらしいのです。
他にも涙が流れるお話が載っておりますので、
よろしければ、一度お手に取ってみてくださいね。^^
ご訪問ありがとうございました。
素晴らしいお話ですね。
先生も、社長も、社員の方々も、そして2人の少女も、みんな立派です。
社長の、雇用についての責任も、痛いほどわかります。
組織は、Bottom upとTop downと、2つの意思決定システムが論じられますが、その2つが融合したように思えてなりません。
このような素晴らしい会社が、まだあるのですけれど、そのような会社ほど、その業績を表に出すことはないのですよね。