沖人さんの日記 | ニコッとタウン

沖人

創作小説の執筆が全く進まない。第三次渇水調整に入った早明浦ダムのように、想像力が枯渇しかけているが、スマホの戦車ゲームがそれに輪をかけている。創作小説を書くためには、ぼ～っとした時間が必要なのであるが、四六時中戦車ゲームをしている。

ネットでは、課金しないと勝てないクソゲーとの評価で一色であるが、世界で数十万人以上が参加している。スマホでゲームをしているのは、子供達や若者のように思えるが、50歳前後のおっさんばっかりである。

40名くらいで1チームを構成しているが、1回3分の対戦を、個人、個人でバラバラに遊ぶゲーム。チームに所属するの参加者の倒した戦車数の合計がチームの得点になり、週に2回ある他チームとの対戦での勝ち負けが決まる。

時間ばかりとられ、早くやめたいのであるが、コツコツと戦車を育てて、チームでの立場もあがったのに、ここで止めたら、今までの時間が無駄になると思ってしまう。今どきの若者は、ブラック企業に就職したら、とっとと辞めてしまうが、昭和世代は、このまま我慢しておけば、きっとよくなると思ってしまう。

何台倒したかの成績がリアルタイムに更新されていて、まるで、営業マンのノルマの達成状況が貼りだされているようである。トップの営業成績をとりたいと思ってはいないが、後から入ってきた後輩に抜かれたくないなと思ったり、成績が落ちるのが恥ずかしいので、そこそこ頑張らなきゃと思ってしまうのである。

いい成績をあげるためには、課金アイテムが不可欠になる。課金アイテムを使うと攻撃力や防御力が倍増する。しかし高い。二コタの課金アイテムは、ずっと使えるが、戦車ゲームのアイテムは、一回限りで24時間くらいで消えてなくなる。

攻撃力が上がる車体のカラーリングと防御力があがるデカール、それと弾がセットで3000円。あほらしくて、女性や若者は、直ぐにいなくなり、残るは、時間や小金を自由に使え、そして孤独なおっさんばかりにある。

おっさん達は、傷をなめあい、チームのチャット欄に、おはようございますや対戦頑張りましょうと書き込みを続ける。頑張らないことを知らない昭和世代は、頑張りましょうと言われたら、頑張ってしまうのである。

先週、新型戦車が販売されたが、最も安い買い方をして36,610円。リアルの自転車が買えるのではないかと思うが、おっさん達が次々と買って、チャット欄はその性能の話題でもちきり。

運営のぼろ儲け作戦だと分かっているし、高すぎると不満を漏らしながら、みんなが買うから、性能が高くて、買わないと置いてきぼりになるので、奥さんにばれたら怒られる～と言いながらポチっと購入ボタンを押しているのである。

呪いのようなゲームであるが、チームの副司令官に任命されている。偉そうであるが、副司令官は10人以上いて、権限もなく、何のいいこともない名誉職だ。しかし、副指令であるからには、いい成績をあげないとチームに示しがつかない。

土曜日もひたすら戦車ゲームをしていて、気がついたら午前1時を過ぎていた。点けっぱなしのＮＨＫで松本清張没後30年を記念して、ドラマ「ザ・商社」の再放送をしていた。

家族のことなど顧みず、会社のため日本のためと、石油の販売権を得るために、仕事に没頭する商社マン。全てを犠牲しながらも最後は、責任をとらされ会社からも家族からも捨てられる悲しき昭和のサラリーマン。

午前0時30分から始まった第3話の最後で、夏目雅子がバスローブを脱ぎ、おっぱいを披露した。ストーリー上、おっぱいのシーンはなくていいのだが、ＮＨＫと言えども昭和のドラマには、必要なシーンなのだろう。沖人君の創作小説に通じるところがある。

ひょっとしたら、最終話になる第4話にも、おっぱいぽろりのシーンがあるのではないかと、戦車ゲームをしながら、ＮＨＫを見つづけたが、放送が終わる午前3時になっても、ポロリのシーンはなかった。徒労である。

眠りについたが、睡眠不足が続いたせいか、ワクチン接種の副反応で、朝5時くらいに、北極にいるのではないかと思うほどの寒さに襲われた。悪寒ではなく、ただただ寒く、眠ることができない。

眠れないのならと、布団に入ったまま戦車ゲームを続け、昨日の午後9時に発表された成績は、チームで4位になり、司令官に褒められた。上司に褒められたら、頑張ろうと思うのがサラリーマンである。今週も、全てを犠牲にして、頑張ろう。