紫陽花
- カテゴリ:小説/詩
- 2022/06/15 16:07:37
紫陽花のさく頃
二人で行ったアジサイの里
華やかに咲く花の色を愛でて
あなたが考えていたのは何
私には見えなかった
色とりどりの話
様々に色を変えて
花につゆをしたためて
光る光線を放っていた
あなたの空を追う瞳のように
やがて庭園が混んできた
帰ろう
あなたが言った
静かな公園が賑わしくなる
逃げるように後にした
あなたは何を考えていたのか
何も言わなかったのは何故か
悲しい出来事か
それなら私にも聞かせて
きっとそうじゃないのね
怖かった
あなたの心が
もしかして私を見ていない
そう思えた
だって私を何も見ない
いつか来る
あなたが離れていく日が
遠いかもしはるない
ちかいかもしれない
そのとき私はどうなるだろう
部屋の前で別れた
強くて抱きしめた
私から離れないで
私のそばにいて
でもいつかあなたは離れて行く
これが永遠じゃありませんように
私は祈る
たとえ別れる日が来ても
紫陽花の様に色を変えながら
あなたを見つめ続ける
静かな詩ですね。空気息を潜めたように。
色変わる紫陽花の花。愛も色を変えるのでしょうか。悲しい気がします。
でも、永遠じゃない。どこかでそれをしっている、私たちの様に。
熱い私の想いに
青い紫陽花の花のように
冷たいあなたがいる
白い紫陽花に想いを書き綴り
あなたに渡したい
無言で歩く紫陽花の道
紫煙る6月の梅雨空
そっと手に触れた紫の花びらが
私の涙で虹色に滲んだ