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『ラブコメ今昔』

有川浩さんの自衛隊三部作シリーズを読破して、次に読もうと思っていたのは『クジラの波』だった。しかしながら、大学の本屋には売っておらず、それならばと購入したのが『ラブコメ今昔』である。本作品は自衛隊ラブコメシリーズの第二弾、ということで、当初読もうとしていた『クジラの波』は第一弾だ。どちらも短編小説集で、『クジラの波』には『空の中』『海の底』に登場し、結ばれたカップルの後日談が綴られている。


『ラブコメ今昔』では、陸・海・空それぞれの自衛隊員が繰り広げる恋愛模様が描かれており、有川さんのあとがきを読むと、登場人物など所々実話を元にしているのだとか。

話数は計6つあり、それぞれ

「ラブコメ今昔」
「軍事とオタクと彼」
「広報官、走る!」
「青い衝撃」
「秘め事」
「ダンディ・ライオン~またはラブコメ今昔イマドキ編」

である。「ラブコメ今昔」は、見合い結婚をした二等陸佐・今村和久が、『あづま』という隊内紙の広報記者、二等陸尉・矢部千尋から「夫婦の馴れ初め」を取材される、といった内容であった。最初は断固拒否!の姿勢を見せていた今村だったが、妻の邦恵の後押しもあって最後には取材を受けることに。

作品内で今村は既に50を超えているが、今村が若い頃は隊内で恋愛結婚をする者は少なく、上官の紹介によって見合い結婚をするのが一般的だったという。今村の見合い相手は、直属の上司の娘であった。

なんとも微笑ましい馴れ初めが語られていて、1話目から早速キュンキュンしたのだが、一番衝撃だったのは、ラストで千尋と吉敷が付き合っていたと分かるシーンだ。まさかの!?という感じだったが、彼らの馴れ初めについては最終話の「ダンディ・ライオン」にて描かれている。千尋が吉敷のことを好きになったきっかけには共感できたのだが(声が好き、というのは声フェチとして激しく同意)、吉敷が千尋のことを好きになった理由としてはちょっと「安易すぎないか?」という気持ちが…。現実世界で人を好きになる理由なんて、ちょっとしたことがきっかけかもしれないけどね!でも、少し物足りなかったかも!

6作品ある中で、一番好きだったのは「青い衝撃」かな。自衛隊に詳しい方がいればなんとなく察しが付くかもしれないが、「ブルーインパルス」のパイロットである紘司と、その妻、公恵の話。「夫がモテて困るんです」という一文から始まるが、「ブルーインパルスのパイロット」であるだけでもモテるのに、紘司の人気に火が付いたのは、「バーティカル・キューピッド」という「二機がかりで描いたハートを別の一機が矢となって射抜く」曲技で、”矢”の担当だった紘司が見事に失敗したことがきっかけだったらしい(「バーティカル・キューピッド」がどのようなものなのかは、「青い衝撃」のタイトルと共に挿絵で示されている)。

若い女性からは失敗=可愛い!と捉えられ、黄色い歓声が飛び交うようになった原因だが、実際には、その失敗は「可愛い」と言えるものではなく、「予定の軌道を外れた」=「事故を起こすかもしれない」という、事情を知る同僚や身内にとっては肝が冷える事件であった。私も、そういった知識が乏しいゆえに、その事実を読んだ時にはドキッとした。もし私も若い女性たちの中にいたら、同じ気持ちを抱いてしまったかもしれない。一つ学びを得た。


ちなみに、「バーティカル・キューピッド」の失敗も、有川さんが実際に見たものらしい。私はテレビ中継でしかブルーインパルスの飛行を見たことがないので、実際に見てみたいな。一番近いのは浜松基地かなぁ。ちょっと本気で検討しとこ。


次に購入したのは『クジラの波』ではなく、またまた自衛隊に関するもの。しかも、初めて文庫ではなく新書を買ってしまった。読むのが楽しみだな。

#日記広場:小説/詩

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2022/07/04 20:48
「県庁おもてなし課」を読んでから高知旅行すると楽しいです
アバター
2022/06/29 20:57
「空飛ぶ広報室」もありますよ



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