『女性自衛官』
- カテゴリ:小説/詩
- 2022/07/05 21:34:04
今回読んだのは、新書。実は新書を買って読むのは初めてである。
上野友子さん・武石恵美子さんの『女性自衛官 キャリア、自分らしさと任務遂行』(光文社新書、2022年3月)を読んだ。
上野さんは防衛省にて防衛事務官として働いている。上野さんは、社会人学生として2020年に法政大学大学院キャリアデザイン学研究科修士課程を修了したが、修士論文を書いた際の指導教員が武石さんだった。本書は修士論文の執筆にあたって、女性自衛官にインタビューをした時の内容をベースとして作成されている。
有川さんの小説を色々読んでみて、今まで何も知らなかった自衛隊について、沸々と興味が湧いてきていた。あくまでも小説はフィクションであるから、実際の自衛隊はどんなことをしているのか、知りたかった。大学にある書店の新書コーナーを見ていたらこの本を見つけたので、購入してみた。
内容的に、「自衛隊とは何か」を知るにはあまり適していなかったが、女性自衛官について様々な知識を得られた。
女性の自衛官の採用が始まったのは、1952年。保安庁(現防衛省)の人員増補のために、看護師資格を持った女性限定で、採用が行われた。しばらく女性は看護職域のみの活躍に留まっていたが、1967年に陸上自衛隊で、7年後の1974年に海自・空自で一般職域での採用が認められたという。それでも、1993年までは「直接戦闘職域」・「戦闘部隊を直接支援する職域」・「肉体的負荷の大きい職域」では依然として女性自衛官は配置されずにいたが、1993年以降、徐々に制限が撤廃され、現在は全自衛隊でほぼ全面的に制限は無くなっている。
有川さんの小説、『空の中』において、女性のイーグルドライバー(武田光稀)が登場した。単行本は2004年に発行されているが、「空自における戦闘機・偵察機への配置解放」が行われたのは2015年11月のことである。その3年後に、現実における初の女性戦闘機パイロット(松島美紗さん)が誕生した。まさに、小説に現実が追い付いた形だったんだなぁ。
また、『海の底』では子どもたちが潜水艦に取り残された際、唯一の女性だった森生望が生理になってしまう、という場面がある。周りは男しかおらず、潜水艦の乗員も男しかいなかったため、対処に困る様子が描かれていた。
現実における、海自の潜水艦への女性自衛官配置解放は2018年12月で、これが最後の配置制限見直しだった。『海の底』の発行は2005年だが、これは現実とリンクした内容だと言えるかな。
それと、「自衛隊」というと、やっぱりバリバリな戦闘訓練に重きを置いた職業なのかなと思っていたけど、そうでもないらしい。
意外と「事務」とか「プログラミング」、それに、陸・海・空のそれぞれで色んな職種があって、かなりイメージが変わったかも。フィクションの影響が大きいんだろうなぁ…。
第7章では、自衛官としての仕事と子育ての両立について書かれていたけど、やっぱり緊急事態の時には「家族よりも仕事を優先させなきゃいけない」っていうのは相当覚悟が要りそうだなと。自分一人だけが家族を優先させるなんてワガママ言えるわけもなく。女性自衛官は、男性自衛官と結婚する割合が結構高いらしく、その場合、必然的に有事の際は父母どちらもいなくなってしまう。ほんと大変な仕事だ…。
もっと自衛隊の方に感謝をしなきゃなと思いました。
いつも私たちの平和を守ってくれて、ありがとう。





























