Nicotto Town


ちょこころねの日記


見習い天使の住まいへ~天使シリーズ~


見習い天使と一緒に彼女が現在住んでいる場所へとユエルは向かっていました。

厚底のヒールをはいた見習い天使でしたが、足取りも確かで、賑わう街中を人混みを上手にすり抜けてすいすいと歩いて行きました。
案内された家の前まで来ると、なかなか落ち着いた雰囲気の一軒家のようでした。
「さあ、どうぞユエル様」
見習い天使にそう言われて玄関から部屋に入ると、
ふわっと甘い香りがしてきました。
なんだろう?
別の部屋を案内されても同じ香りがします。
どうもこの家全体がこの甘い香りに包まれている様です。
「ユエル様まずはこちらの部屋で少しお休みください。
私は着替えてまいりますので」と暖炉のある居間に案内されました。

こちらの部屋も甘い香りがする。
(そうか・・・チョコレートの香りのようだな。)

しばらくすると見習い天使は着替えを終えてユエルに夕食のグラタンを運んできました。
「ユエル様こちらをどうぞ」

着替えた見習い天使は先ほどの茶色の髪から、以前と同じ黒い髪へ、そしてメイクも落として穏やかな笑顔を浮かべていました。部屋着も優しい色合いの暖かそうなものを着ていて大分印象が違います。
肩には美味しそうにひまわりの種をもぐもぐ食べるハムスターたちが乗っていて、ハムスターたちも彼女といて安心している様子です。
あのクラブという場所では以前と大分印象が違ったと思ったが、この姿は以前の彼女のままの様に見える・・・。
どういうことだろう。

ユエルはまずは大事なことから聞くべきだと思って、
「この家は借りているのかな?それとも誰かと同居しているのか・・・」と聞いてみました。
見習い天使は「ええと・・・元々住んでいる方に無料で間借りさせてもらっているんですよ」とちょっと何か引っかかるような言い方をした。

それにしても、見も知らずの相手に間借りさせてくれるとは、親切な人間がいたものだ。
「そうでしたか。それでその方はどなたですか?」
「・・・」
「何か問題でも?」
「それが、実は(;´・ω・)」
「はい。こちらの場所を報告しなくてはいけませんし、これからのこともありますから教えてください」

「はい。実は最初に交渉に来た時の悪魔さんが住んでいる家
なのです」
「えええ!!なんですって!どういうことですか(; ・`д・´)」
「初めて地上に降りてきてお役目の為に悪魔さんに会いに来たのですが、色々とお話している内に意気投合してしまいまして。
人間界での過ごし方や楽しみ方、それから人間界を調査するのに役立つことを沢山教えてもらっています。
元々人間界には興味があったので、ちょっと調べるつもりが大分長居をしてしまいました」
「そういうことだったのですか」
「はい、こちらに来てみたら天界で聞いていた様子とはまた違う所が多くて、悪魔さんに対する印象も大分変わりました」

「もちろん人間界には問題点も多いのですが、
悪いことばかりではないのです。
人間たちは生きることを楽しむことをとても上手にしますし、人間同士の思いやりや愛情関係などは天界の規律とはまた違ったものがあります。

私はこちらに来てからなるべく人間の事を知ろうとこちらの人たちに馴染めるようにと生活してきました。
先ほどの格好もそのための変装の様なものです。
カツラとメイクや服装でどんなふうにでも見えますから。
中身はこんな風で前と大して変わっていません。
ただこちらで天使としての役割の重要さを大事にしつつも、人と関わること、日々の生活を楽しむことも知りました。

楽しみは行き過ぎれば堕落に繋がりますが、
それは自分で管理することができるものです。

この世界の様々なことに興味を持つこと、自分の特性を活かすこと、それによって他の存在の役に立つことの大切さを知りました。天使のお仕事も貢献することを目的とすることが多いですが、こちらで過したことでお互いの想いを伝えあったり知り合うということがより大切だと感じるようになりました。
他の天使たちも自分の興味や性質を活かそうとこちらで活動しています。

ユエル様、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
ですがこちらで学んだことはきっとこれからのお役目にも役立つと思っております。
どうかもうしばらくだけこちらに滞在なさって地上の生活のことを少しでも知ってお帰りになって下さい。

夢や楽しみは人間界においては生きる力となっています。
ユエル様にも楽しくて素敵な夢が訪れますように、
このヒツジ枕で今日はお休みになって下さいね(^_-)-☆」
と見習い天使は言ったのでした。

「なるほど・・・こちらで様々な経験をされたのですね。
きっとこちらで何か問題がおきているのではとばかり思っていましたがそれだけではなかったようですね。
しばらくこちらに滞在させてもらって詳しくお話を聞くことにしましょう。
それから、この家に漂っている甘い香りは・・・」

「まあ、お気づきでしたか(#^^#)
私が間借りしているお礼に悪魔さんの好物のチョコレートケーキをよく作っているのでこの香りがいつもしているようです」

「なるほど。私も天使ではありますが、実はチョコケーキに目が無いのです。ここだけの秘密にして下さいね。
大昔の話ですが悪魔との争いの際にちょっと食べる機会がありましてね。それから好きになったのです。
もしチョコケーキの残りがありましたら味見させてもらえると嬉しいのですが(*´ω`*)」
ユエルの意外な告白で、見習い天使も思わず笑顔になりました。

その後、2人はチョコケーキを味わいながら、ゆっくりと食後のティータイムを過ごしたのでした。
つづく

見習い天使の前回のクラブでの姿は、
実は仮の姿で、人間のことをよく知ろうとするための方法でした。
茶髪はかつらだったみたいですね。
最初は人間界に馴染み過ぎたという茶髪設定にしようかと思ったのですが、この天使さんの性格を考えて一年後を想像してみたらそうではない気がしてきてお話をガラッと変えてしまいました。
やっぱり見た目にはだまされちゃいけないよという教訓でしょうか。
ユエルさんも、見習い天使の変身ぶりに少し動揺していましたが、それをどうこう言わなかったので、本質を見る目があるのかな?やっぱり天使だからでしょうか(*´▽`*)


そういえば見た目のお話といえば、学生時代にカラフルなヘアカラーをしている同じ講義を受けている同級生がいたのですが、彼女はとても勉強熱心でおしゃれで素敵な人でした。
爪は黒いマニキュアをしていてカッコいい✨そう思った私はつい我慢できずに声をかけてそのことを伝えたのですが、
実は高校時代までとても厳格な学校に通っていて、大学に入ったら思う存分好きなようにおしゃれがしたかったそうで、
それが発現していたんだと教えてもらいました。

髪の色や美人な雰囲気の彼女を見て、話しかけるのもちょっとどきどきする~なんていう人もいましたが、私は彼女に素直な気持ちを話したことで彼女の人柄を知ることができて、挨拶したり講義の事を話すまでの関係になれました(*´ω`*)♥
人間はやっぱり中身が大事だなあと思います。
そして自分の好きを表現することって素敵だな~と強く印象に残る思い出です。

さてクリスマスまでの間にまた他の天使も見つかるかな~?(´ω`*)

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2022/12/20 21:04
お陰様で どうやら収まったみたいです
ロキソニン飲むのを忘れるくらいでしたww

喉も戻ったんね よかった^^
何かと忙しいし寝込んでられへんし
しっかり休息は取りましょう^^
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2022/12/20 00:44
今回も可愛いコーデから面白いお話が出来たようですね。♪
まさか天使と悪魔が仲良しだったとは・・・。
今回も楽しく読ませていただきました。!(^^)!
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2022/12/18 23:52
見習いさんはそういう生活をしていたのですね。
とても魅力的なお話でした。
様々な経験を積んで、人間界の見方も広がったと言うのは素敵な天使さんですね。

人間は中身が大事、本当にそうですね。
そして自分の好きを表現するのって、とても素敵なことだと私も思うのです。
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2022/12/18 19:31
精霊も見つかるかも・・・
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2022/12/18 18:50
こんばんは~^^
見習い天使さん 悪魔さんと住んでたとは^^
次の天使さんはどこでどうやって暮らしているのか気になります♬

お返事ありがとうございました^^
読ませていただきました^^
本当に子供たちの夢は大人には想像のつかないものかも?ですね^^
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2022/12/18 18:08
ころねちゃ ご心配をおかけしました
早めにロキソニンを早くから飲んだら 痛みも少なくめっちゃ楽です

 ↑ わくわく
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2022/12/18 15:53
>自分の好きを表現することって素敵だな~

同意ー。

私も、大学の時に、社会に出たら色変えられないと思って
髪の毛群青色に挑戦したことがあります。安物のヘアカラーでw

当然一週間でとれちゃいましたw
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2022/12/18 13:28
見習い天使しゃんにも事情があったよーでつね (*´艸`*)
ユエルしゃんも、ミイラ取りがミイラにならないよーに
お気をつけを~ ヽ(=´▽`=)ノ
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2022/12/18 13:14
素敵なお話ですねー
やはり人は見かけは関係ないのですね。




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