2022年10月期ドラマ総決算
- カテゴリ:テレビ
- 2022/12/26 16:07:49
2022年10月期のドラマ総決算です。
ドロップアウト組
※該当作品なし
佳作ショートドラマ
●ジャパニーズスタイル テレビ朝日 土曜夜11時30分~
シットコムという触れ込みだったが、実際はスタジオに作った舞台での演劇形式。今まで見たなかで一番近いのは「お江戸でござる」。セットは宿屋の玄関1か所のみだが、ストーリーがわりと起伏に富んでいて、笑いよりも演技で見せるタイプの劇だった。もう少しお笑いに傾いていてよかったように思う。あと主人公の性格がそこそこクズで、ストーリー重視としてもあまり思い入れができなかったのも残念。
※主演男優賞
●7位
科捜研の女 2022 テレビ朝日 火曜夜9時~
木8枠から新ドラマ枠の火9に移り、装いも新たに以前よりトレンドを意識した感じになったが、科捜研は科捜研。渡部秀が卒業して新たに小池徹平が加わった。おなじみのBGMもアレンジが変わったが、音楽担当は同じスタッフなので全体的な雰囲気はあまり変わらず。枠が変わったことで視聴率は以前より落ちたり、今期で終わるとの噂を聞いたりもしたが、調べたところ続行する模様。このドラマの面白さは科学捜査にあるので、このまま突き進んで欲しい。
●6位
オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ NHK 火曜夜10時~
前シーズンの続きだが、合計しても6回という短さ。それはいいのだが、とにかくキャスティングが豪華、ストーリーもあってなきが如しのコメディで、ドラマというよりお祭り騒ぎを見ている感じ。キャスト的にはどうしても時効警察を思い浮かべる人も多いと思うが、あのわけのわからなさはどちらかというと熱海の捜査官寄り。そして多分一番似ているのはツインピークスで、オリバーから笑いを取ったらツインピークスになる。警察ドラマやミステリーを期待して見ると見事に裏切られる。私は嫌いではないけれど、人を選ぶドラマ。
※ネタドラマ賞
●5位
ザ・トラベルナース テレビ朝日 木曜夜9時~
ドクターXの中園ミホ筆だけあって、安定感のある医療ドラマに仕上がっていた。逆に言えば意外性がなくて少し物足りなかった。看護師2人が主人公なのに、2人とも男性なのは最後まで違和感があった。設定上親子ほど年が離れていなければならないのは理解できるが、どちらかが女性でもよかったように思う。特に日本では高齢の男性ナースは非常に珍しいのではないだろうか。少なくとも私は見たことがない。2人の過去の接点もちょっと弱い気がした。
●4位
霊媒探偵・城塚翡翠
invert 城塚翡翠 倒叙集 日テレ 日曜夜10時半~
当初は主人公が霊感をもとに事件を解決していくファンタジックなミステリーかと思いきや、見事に裏切られた。このどんでん返しは原作を読んだことがある人しか分からなかったのではないだろうか。ただ、invertになってからの主人公のキャラクターが弱かったのは残念。霊感探偵の時の方が清原には似合っていたし、後半は少し無理をしている感が拭えなかった。ミステリーとしては平均点、ストーリーは高得点、キャラ付けは平均を割っていた。他にも印象的なキャラはおらず、オーソドックスな味付だったのは残念。
●3位
拾われた男 NHK 火曜夜10時~
俳優・松尾諭の自叙伝の映像化作品。ディズニープラスで配信された後にNHK地上波で放映された。前半は松尾の青春ドラマ、後半は松尾家のファミリードラマになっていた。松尾自身も出演していたが、ドラマ部分の主役は仲野太賀で、正直見た目は似ていないが、仲野の演技力が凄まじく、たまに本当に松尾本人に見えることがあった。筋書きは実話なのでそこそこのサクセスストーリーだったが、軽妙な演出とキャラクターで深刻になりすぎずポップに仕上がっていた。
※ヒューマンドラマ賞/主演男優賞/助演男優賞(草彅剛)
●2位
親愛なる僕へ殺意をこめて フジテレビ 水曜夜10時~
当初は過激なバイオレンスばかりが目立つ典型的な青年コミック誌調のドラマかと思いきや、途中からぐいぐい展開に引き込まれた。主人公の表面が実は裏面で、途中から本来の表面しか出なくなったのは、まるで主人公が交代したような感覚に陥った…ということは、山田の演じ分けが素晴らしかったということだろう。警察関係者が途中で退陣したのは意外だったが、以降物足りなくなったことと、さんざん展開で引っ張っておいて、LLの正体がキャスティングで意外性がなかったことはちょっと残念なところ。
※ミステリードラマ賞/特別賞
●1位
鎌倉殿の13人 NHK 日曜夜8時~
あまりに面白くて、途中からながら見ではなく落ち着いて見るためにビデオ視聴にしたくらい。三谷が鎌倉幕府をどう料理するかと思いきや、三谷節はそのまま、かなり骨太な歴史ドラマに仕上がっていた。三谷の大河というと新選組と真田丸だが、どちらとも滅びの美学という三谷お得意のパターンだったのに対し、こちらは確固たる幕府を築くという創成の物語なところも、私好みだったかもしれない。当初は明るく正義感の強い青年が、家のためなら身内も主も殺すような黒幕なっていったのは圧巻だった。主人公が裏なら表は北条政子だったと思うが、最後はその表が裏を見殺しにするという三谷なりの解釈も面白かった。
※大賞/時代劇・歴史ドラマ賞/主演男優賞/助演男優賞(大泉洋)/助演女優賞(小池栄子)/脚本賞(三谷幸喜)/音楽賞
今期は圧倒的に大河。1位>>>2~4位>それ以下くらいの差があります。ランクインしているドラマはどれも最後まで見たので、一定の品質は保っていたことにはなるのですが。
三谷の作品はわりとどれも好きで、全部ではないですが複数の作品を見たことがあります。三谷の特徴は、滅びの美学もしくは創成の物語を主軸として描くことが多いことで、今回の鎌倉殿の13人にはそのどちらともか取り入れられていました。前半は鎌倉幕府が創建されていく様子、後半は御家人たちが1人、また1人と消えていく様子。ともに幕府を作り上げていった御家人が消えていく様は、まさに滅びの美学だったのではないかと思います。
さて他のドラマは、見るつもりはなかったドラマが大健闘しました。親愛なる僕へは起伏のあるストーリー、主人公は同じなのに前半と後半で中身が入れ替わるという目新しい展開がなかなか興味深かったです。また城塚翡翠は、当初霊感ということで、ファンタジックなストーリーなのかなと思いきや、全然ファンタジーじゃなかったところが、ミステリーファンの心をくすぐりました。拾われた男は松尾諭の自叙伝のドラマ化ということで、こちらも興味深く拝見させていただきました。キャスティングがかなり豪華で、キャスティングである程度ストーリー展開が予測できるパターンがなかったところもよかったです。それに比べて5・6位及びショートドラマは期待以上の内容ではなかったのが残念でした。
全体的に見てみると、世帯視聴率の平均で大河とまだ終わっていない相棒を除くと2桁を超えたのがトラベルナースだけという散々な結果でした。もちろん現在は視聴率だけでドラマの人気を計るのは間違っているとは思いますけれど、人気のあるドラマは尻上がりに視聴率が上がってくるものなので、低調だったのは否めません。そんな中、視聴率が初回<平均<最終回の神推移だったのが、聴覚障がい者との恋愛を描いたsilent。とはいえ若い人が好むきれいなきれいな恋愛ドラマに、泥沼でもがくこちとら興味はありませんので一瞬たりとも見てません。こんなだから、恋愛ドラマが増えるわけです。
最初から見ないといけないとなると、さすがに億劫ですね。
面白いよとまわりの人たちに言われるのですが、全消しになるかもです・・
親愛なる僕は、最初ちょっと年長者にはつらいですよね。
青年コミックの映像化なので、若い人向けという感じが強かったですが、
途中からしり上がりに面白くなっていったんですよね。
拾われた男は以前から配信されていたのを知っていたので、
BSでやっていたのは知りませんでしたが、
今期の作品に入れていいものかどうか少しだけ悩みました。
霊媒探偵は、霊能力者小田霧響子の嘘を演じた頃の石原さとみが、
びったりだと思います。
神秘的かつ圧倒的な美しさと、等身大の女の子を完璧に演じ分けてましたから。
サイレントは見てないですが、昔大ヒットした愛していると言ってくれを思い起こしました。
親愛なる僕・・・、文句を言ってたけど途中からまた視聴してました。そして魅入られました。山田涼介いいですね。
拾われた男、これはBSでやっていたときに見ていましたので今回は見ず、演技力ある面々の実力発揮ですね
霊媒探偵、独特の口調を編み出そうと工夫してるかな?ちょっとまだまだの感あり。ストーリーの面白さですね。
エルピスをご覧にならなかったのが本当に残念です。
サイレントは、精神的に余裕のある者が同情しながら見る分にはいいかもです。途中で飽きてましたw