初めての物理学(3)力学的エネルギー
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- 2023/03/10 20:24:55
◎仕事
物体に力を加え、物体が力と同じ方向に移動した時、その力は仕事をしたと言う。
仕事の単位は、J(ジュール)である。物体を1Nの力で1m動かす仕事を、1Jと言う。
仕事をW[J]、力をF[N]、距離をx[m]とすると、
W=Fx
と表せる。
斜めに力を加えた場合、その力がした仕事は、仕事をW[J]、力をF[N]、距離をx[m]、水平な面と力の方向がなす角をθとすると、
W=Fcosθx
と表せる。
物体を動かす方向を変えると、少ない力で同じ仕事ができることがあるが、その代わりに動かす距離は伸びる。
◎仕事率
単位時間(普通1秒)あたりにする仕事のことを、仕事率と言う。
仕事率の単位は、W(ワット)である。1秒間に1Jの仕事をする時の仕事率を、1Wと言う。
仕事率をP[W]、行なった仕事をW[J]、かかった時間をt[秒]とすると、
P=W/t
と表せる。
F[N]の力で、一定の速度で物体を動かした時、仕事をW[J]、時間をt[秒]、力をF[N]、距離をx[m]、速度をv[m/s]とすると、
P=W/t
=(Fx)/t
=Fv
と表せる。
◎力学的エネルギー
他の物体に影響を及ぼす可能性のある物体は、エネルギーをもっていると言える。力学的エネルギーは、3つに分類できる。
1、運動エネルギー…動いている物体がもつエネルギー。
2、位置エネルギー…高いところにある物体がもつエネルギー。
高いところにある物体は、落とすと割れたり、地面にめり込んだりするため、エネルギーをもっていると言える。
3、弾性エネルギー…変形しているばねがもつエネルギー。
◎運動エネルギー
運動エネルギーをK[J]、物体の質量をm[kg]、速度をv[m/s]とすると、
K=1/2(mv²)
と表せる。
◎位置エネルギー
位置エネルギーをU[J]、物体がある位置の、基準面からの高さをh[m]、物体の質量をm[kg]、重力加速度をg[m/s²]とすると、
U=mgh
と表せる。
◎弾性エネルギー
弾性エネルギーをU[J]、ばねによって異なるばね定数をk[N/m]、ばねが変形した長さをx[m]とすると、
U=1/2(kx²)
と表せる。
ばねが自然長に戻っていくにつれて、弾性力は弱まっていく。
弾性力をF[N]、ばねによって異なるばね定数をk[N/m]、ばねが変形した長さをx[m]とすると、
F=kx
と表せる。
弾性エネルギーをU[J]として、この式を0からxまで積分すると、
U=∫₀xkxdx
=[1/2(kx²)]₀x
=1/2(kx²)
になる。
◎力学的エネルギーの保存
運動エネルギーをK[J]、位置エネルギー若しくは弾性エネルギーをU[J]とすると、
K+U=一定
になる。