Nicotto Town



ナナイロ村に里帰り【5】村おこしとヨーコ王妃

ナナイロ村に来てから3日経ち、トリオンはようやく父のマンサクから解放…されなかった。

「村長として色々やってるみてーだが…オレは昔のナナイロ村の方が好きだ」
「それじゃ今はウケないんだよ。カンコウチ化してミチノエキくらいは設置しないと…」
今度は、村おこしのことなど難しい話をトリオンに振るマンサク村長。
「ナローケイ現象でこっちに来た異世界(現代)の連中め、親父にいらんこと教えやがって…!
だがまぁ、マリアが楽しそうにしてるから別にいいけどよぉ~」
妹のビリオンと楽しそうにナナイロ村を見て回るマリアを見て、トリオンはフッとほほ笑む。
「マリアちゃん、いい子だな。絶対に手放すんじゃないぞ?トリオン!」
「手放すも何も、メンドーサ隊の事務所でいつも一緒にいるんだよぉ~」

「ねぇ、マリアさん!次、どこ行きたい?」
「そうですねぇ…「色工房」に行ってみたいですぅ~!」

一方その頃、ウェルカム王国城内では…。
「そんなに警戒しないでよ。カノン、ソナタ。僕はもう、あんなことする気はないよ」
「黙れ!ヨーコ王妃まで連れていこうとしたくせに!」カノンは剣に手をかける。
「ブラン・ヨーク!お前の笛の音は危険だ…!」ソナタも戦闘態勢に入る。
「ブラン!おっそ~い!あんまり私を待たせないでよ~!」
「ヨーコ王妃!?」二人揃ってハモるカノンとソナタ。
「カノン!ソナタ!あなたたちは下がりなさい!行きましょ、ブラン」

「ごめんなさいね、うちのカノンとソナタが…」
「いいえ、二度も笛の音でこの国を混乱させたのだから警戒して当然です」
「それで、ブラン。王命であなたをメンドーサ隊に入隊させるのは簡単だけど、
ひとつ頼まれてくれるかしら?」
「はい、なんなりと。ヨーコ王妃様」
「娘のシッソナもアイドルデビューさせたいの!あなたにも協力してほしいのよ!」
「シッソナ姫を、ですか?ええ、構いませんけど…」
「じゃあ商談成立!さっそく、旦那(ヨーコソ王)に王命を発令しろって言ってくるわね!」
ヨーコ王妃はルンルンしながら自分の部屋を出ていった。
「シッソナ姫のアイドルデビューか…厄介な依頼を引き受けちゃったなぁ~」
ブランは、ぽつりと呟いた。

一方その頃、メンドーサ隊事務所では…。
山と積まれたゴールドピーマンの木箱が無くなっていた。
中には、事務所に泊まり込んでゴールドピーマンドリンク製作や売店への納品を
手伝ってくれる在校生がいて、思いのほか早く作業が終わった。
あとは、トリオンたちの帰りを待つばかり…。

ーつづくー




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