Nicotto Town



シッソナデビュー【4】リハーサル【終】

ここはシッソナ姫のアイドルデビューライブの会場。リハーサルの真っ最中。

「シッソナちゃん!あなたのステージ衣装、超カワイイ~!シャメ(写メ)っていい?」
「もう!お母さまったらやめてよ~。恥ずかしい…」
衣装合わせも順調らしく、ヨーコ王妃と対のステージ衣装を着たシッソナ姫は歳相応の女の子らしく照れていた。
「バンドマンのみなさん、準備お願いしま~す!」
スタッフジャンパーを着た兵士がライブ衣装を着た「ムジーククインテット」の5人に声をかける。
「シャイナ!何で仮面なんか被ってんのよ!?
聖闘士の掟じゃあるまいし、ここでは女を捨てる必要ないのよ?」と、マリン。
「だ、だって…恥ずかしいんだもん」
「僕は素顔のシャイナが好きだよ」そう言ってシャイナの仮面を取るブラン。
「ブラン、本当にその衣装で出る気?」ライムはあきれたように言う。
「え?やっぱりダメ?」ブランは海魔女の鱗衣(要するにソレントのコスプレ)を身に着けていた。
「ダメです。塩屋翼(しおやよく)的な意味でアウトです」冷静にツッコむルルカ。

そんなこんなで、舞台も衣装も整い、リハーサルが始まった。
まずはヨーコ王妃が自分のデビュー曲を歌う。歌唱も振り付けもキレッキレである。
そして、ヨーコ王妃がシッソナ姫をステージに引っ張り出して、シッソナ姫のアイドルデビューを宣言する。
シッソナ姫はデビュー曲を歌うその瞬間まですっかり忘れていた。
自分が『殺人級の音痴』であるいうことを…!
「%#”)&’%”=~‘+*><&%☆@~~~!!」

時すでに遅し。
ヨーコ王妃もブランたち「ムジーククインテット」もスタッフの兵士たちもみんな卒倒していた。
「だから、デビューするの嫌だって言ったのに~~!!」
シッソナ姫の叫びが虚しくこだまする。

こうして、シッソナ姫のアイドルデビューは、本番を待たずして幻に終わってしまった。

ーおわりー




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