微かな南風ー２０
- カテゴリ：自作小説
- 2023/04/04 16:47:26
スティーブは砂漠の運転は初めてだった
未舗装のダートラリーも基本は平らな道路を使うので
ジャンプポイントも少ないが 砂漠はちがう 乗り越えようとした先がどういう状態かわからない
ベテランのドライバーは過去の経験からこの地形はと 予測しながら走る 何しろ何があるかわからない
そのためにマージンを持って走る
今のスティーブも慣れるまではいつもよりマージンを取って慣らし運転のつもりでゆっくりと走っている
すずらんはすずらんで悩んでいた
切り替えの切っ掛けがまだつかめていない
ただ 遠くを見ようとすると視点が切り替わる
まずは自分の見えている範囲から遠くまで見える高さに視点が移動して全体像が見える そこから見たいと思うところがアップになってくる
だったら 足元を見たら？
普通に自分の足が見える ん～～
ちがう じゃ トラックを正面から見てみたいと思うと
「あっ 見えた！！」
思わす口に出たのを聞いて アルフはすずらんのほうへ振り向き不思議そうな顔をした
すずらんは気づかずに心の中でつぶやいた
「トラックの横は？」
すると視界がちょうど 並走するトラックが見えるように見える
なんだ 具体的に思うといいのね
「アインも不親切ね」
またアルフが不思議そうな顔をして聞いてた
