Nicotto Town



シーナガルド【1】リモーネアマナツと男の対決

「こんにちは~!ヘモグロ便で~す!チュニス・セラムさんにお届け物で~す!」

チュニスの実家の大農園から、今度は「リモーネアマナツ」が大量に届いた。
「こちらにサインをお願いしま~す!はい、ありがとうございま~す!」
ヘモグロ便の宅配員「チシオ・アカイ」は、
メンドーサ隊事務所にリモーネアマナツがギッシリ詰まった木箱を運び込むよう、他の配達員に指示を出す。
「ご苦労様です~」配達員を労うチュニス。周りには食堂や玄関を埋め尽くすほどの大量の木箱。
「リモーネアマナツ、レモンと甘夏を足して2で割ったオレンジ!」と、水牛のスイ。
「たまに、レモン5個分くらいの超酸っぱいのが混じってるギュー」水牛のギューは口を酸っぱくした。
メンドーサ隊がリモーネアマナツの対応に追われている頃、
ノエルとブランは、両親に会いに「シーナガルドの村」へ行くところであった。

「シーナガルドまで飛んでいくからマリアは僕につかまって」
マリアをお姫様抱っこしてブランは背中の白い翼を広げ飛ぼうとした時、トリオンから待ったが掛かる。
「おい、コラ!ブラン!マリアをどこに連れて行くつもりだ!?」
「マリアが僕の両親のいるシーナガルドに行きたいって言うから…」
「嘘つけ!お前、マリアを両親に紹介する気だろ!?」
「キミだって故郷のナナイロ村に里帰りした時、マリアを紹介したんだろ!?」
「あれは親父が勝手に…って、何で知ってんだよ!?」
「和菓子屋のヤツハシくんが懇切丁寧に話してくれたよ」
「チッ、ヤツハシくんめ…!とにかく!貴様のような奴に俺のマリアは渡さんぞ!」
「俺のマリア?いつから、マリアはキミのものになったの?僕だって退く気はないからね!」
トリオンとブランは睨み合い、火花をバチバチ散らしている。
「トリオン隊長とブランって、いっつもこんな調子なの?」ノエルは半ばあきれている。
「いつもはこうじゃないんですけど…どうしてでしょうかぁ?」
いがみ合ってるトリオンとブランを見て、マリアはキョトンと首をかしげる。
(マリア、あなたが原因でしょうが…)ノエルは心の中でツッコんだ。
「ケンカしてる男二人はほっといて先に行くわよ、マリア!」黒い翼をはためかせるノエル。
「はいっ、よろしくお願いしますぅ~、ノエルさん!」そのノエルにおぶさるマリア。
飛び立つノエルとマリア。慌てて後を追うブランとトリオン。いざ、シーナガルドへ!

ーつづくー




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