Nicotto Town



シーナガルド【5】村長さんにご挨拶【終】

「ええっ!?みんな、もう帰っちゃうの~!?」ピノが残念そうに声を上げた。

「またね、ピノ」ブランはピノの頭を撫でる。
「ピノ、お父さんとお母さんと仲良くね」ノエルはピノを抱きしめる。
「気をつけてな」「またいつでも帰ってきてね」
ウェルカム王国へ帰るブランたちを見送るジグルードとタバサ。

ブランたちは、王国に帰る前に村長の所に寄った。
「やぁ、ノエル。そして、噂の御三方。
ノエルの弟「ブラン」、メンドーサ隊隊長「トリオン」、看護兵「マリア」。
私がシーナガルド村の村長「ロッド・アイオロス」だ。帰り際にわざわざ挨拶に寄ってくれるとは嬉しいな」
そう言って屈託のない笑顔を浮かべる若きロッド村長。
「ここ、シーナガルドの村は人間、エルフ、混血種族(ハーフ)、獣人族など様々な種族が住んでいる。
ジグルードやタバサたちのように迫害されてこの村に流れ着いた者もいれば、
ナローケイ現象の影響で転移してきた異世界の連中に追い回されて、命からがら逃げてきた者もいる。
シーナガルドは、そういった様々な事情を抱えた者達が寄り集まっている村なのだ。
幸い、この村はまだ異世界の者には知られていない。
できることなら、異世界の風がシーナガルドに吹いてほしくないな…」
「異世界から来た人達は、セルフィさんたちのように良い人たちとは限らないんですねぇ~」
マリアは少し悲しそうだ。
「残念ながら、な…」と、ロッド村長。

ブランとノエルは、行きと同じくマリアとトリオンを抱えて長時間飛んでメンドーサ隊事務所に帰ってきた。
「ブ、ブランくん!?大丈夫!?」
翼が硬直し、背中を丸めて痛がっているブランを見て、シャイナが一目散に駆け寄ってきた。
「ちょっと慣れないことしただけさ…」一応、カッコつけてみせるブラン。
「心配いらないわ、シャイナ。ただの運動不足よ。ブランってば、何年翼を動かしてなかったのよ!?」
ノエルは溜息をついた。
「到着早々、悪いんだけど…ちょっといいかい?」後ろから声がする。
声の主は、フツツカ魔法学院の魔女クラスの教師「エンロ・ハルバル」だった!

ーシーナガルド編、終わり。次回へ続くー




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