目の上の異世界【1】怒れる学院長
- カテゴリ:自作小説
- 2023/04/22 17:25:14
シーナガルドの村から帰ってきて早々、魔女クラスの教師「エンロ・ハルバル」が現れた!
「人を魔物みたいに言うんじゃないよ!まったく、失礼な作者だねぇ!」
自分、ドラクエ派なもんで、つい…。それで、マリアたちはどうする?
「話を聞きましょう!」マリアは友好的にエンロ・ハルバルに接した。
メンドーサ隊事務所内は、まだリモーネアマナツと隊員と生徒でごった返しており、混沌の戦場状態であった。
「トルテ、大丈夫かい?」エンロ・ハルバルの後ろにはトルテ学院長が…。
「お母さん!?」母の姿を見て驚く娘のティルト。
ティルトの母「トルテ」は、先天性の盲目で滅多に学院内から出ない。
そのトルテ学院長自らメンドーサ隊の所に来るということは余程のことなのだ。
「ここにいる在校生のみなさんは、もうすでにご周知の通り、
最近の異世界クラスの生徒たちの悪辣極まりない行動には本当に困っています」
トルテ学院長が話し始める。彼女から静かな怒りが立ち込める。
「異世界クラスの「オーレ・ツエー」って男子がさ~
いきなり教室に入ってくるなり、「道場破りだァーッ!」って言って、
騎士系クラスの「アーサー・エンタク」先生に斬りかかって大怪我させたんだよ~!?」
魔法騎士クラスのミーが「ホント、何なの!?アイツ、マジムカつく~」と言いながら話してくれた。
「え!?エンタク先生が!?」聖騎士クラスの卒業生であるビリオンは面食らった。
「異世界から来たからってさ~、転移先の世界で好き勝手していいとか、マジ意味不明なんですけど~」
魔法騎士クラスのハーも、激おこぷんぷん丸だ。
「そもそも、異世界クラスは、ナローケイ現象のせいで新設せざるを得なかった所があるのです。
異世界から来た子たちは、とりあえず「異世界クラス」に入れましたが、
この世界に転移してくる際に、神様からチート能力をひとつもらっているらしく、
生意気で傲慢で、異世界チート無双や異世界ハーレム、
自分だけレベルアップして異世界最強を目指したがるような異世界を完全に舐めきった連中、
異世界転生して何の苦労も努力もしないで勝ち組人生を謳歌することばかり考えている
頭スカスカな連中ばかりで、本当に反吐が出る…!」
憤怒の表情になるマジギレ寸前のトルテ学院長。
「異世界クラス担任のクラント・クラリッサ先生も生徒たちに完全に舐められてて、
授業崩壊している有り様で、彼女も匙を投げそうになっているわ…!
オーレ・ツエー以外にも他のクラスに危害を加える異世界クラスの生徒たちが数人いて、
その中のリーダー格「シンカミー・ニューワールド」という鼻持ちならない男子生徒が、
とんでもないことを企てていたのです!ネクロ・グレンデル!」
トルテ学院長が指をパチンと鳴らし、ネクロに合図をする。
「ウフフ、ボクの「言霊の杖」が録音したシンカミーの計画を今、ここで聞かせてあげよう…!」
ーつづくー