シン・三太郎物語3
- カテゴリ:日記
- 2023/05/30 12:55:43
3、鬼ヶ島
ナ 数日後、
亀 本当に鬼ヶ島へ行くのですか?鬼ヶ島に住む鬼たちは狂暴で残酷で恐ろしい奴らだと聞いていますよ。
桃 だから行くんだ。
人間の住む町や村でこれ以上暴れられては迷惑千万。
浦 桃ちゃんは正義感が強いのう。わしは少し怖いが手伝うよ。
金 桃ちゃん?なんだ桃ちゃんって。
浦 桃太郎だから桃ちゃんでいいじゃん。金太郎は金ちゃんね。
因みにわしのことは浦ちゃんて呼んで欲しいのう。
金 未来の侍、金太郎が金ちゃん?
桃 よいではないか。呼び方などは大したことではない。
浦 桃ちゃん、さすが、大きい男じゃのう。
亀 皆さん、もうすぐ鬼ヶ島へ着きます。本当に上陸するのですね?
桃 当たり前だ!行くぞ!
ナ 遂に鬼ヶ島へ上陸した、金太郎と浦島太郎と桃太郎とイヌとサルとキジと亀。鬼はいずこかとずんずん進んで行きます。
一匹目の鬼に出会いました。桃太郎が瞬殺しました。
何事が起ったのかと鬼たちがわらわらと現れました。
金太郎が得意の相撲で鬼たちをなぎ倒します。
鬼たちも敵の襲来に気が付き始めました。
イヌとサルとキジも鬼たちめがけて果敢に襲撃します。亀は頭も手足も甲羅の中にしまって高速回転で逃げまわりながら鬼を蹴散らしています。しかし、倒しても倒しても鬼たちはわらわらと現れます。かくして、大乱闘になりました。浦島太郎だけは乙姫様からもらった三つの玉手箱を抱えて安全な丘の上でみんなの戦いを見守っていました。
浦 金ちゃん頑張れ!桃ちゃん後ろだ!
ナ 浦島太郎が応援に夢中になっていると・・・
鬼 こんなところで何をしている人間。お前もあいつらの仲間か?
ナ 浦島太郎は鬼に捕まり人質に取られてしまいました。
鬼は大声で叫びました。
鬼 剣を捨てろ!お前たちの仲間を捕まえた!
ナ その声は風に乗って戦場になった島中に響き渡りました。
浦 桃ちゃん!金ちゃん!ごめん!助けてー!
鬼 動くな!この人間がどうなってもいいのか。
ナ 鬼は軽々と浦島太郎を片手で持ち上げました。その時です!大きく強い風が丘の上を吹き抜けたのです。浦島太郎を持ち上げた鬼はバランスを崩しよろめきました。浦島太郎も大きく揺れて両手に抱えていた玉手箱を落としてしまいました。
さあ!大変です!絶対開けてはいけないと乙姫様に言われていた玉手箱が地面に落ちたのです。その拍子にパッカリと蓋が開いてしまいました。たちまち玉手箱から白い煙がモクモクと立ち上り風に乗って鬼ヶ島全体に広がりました。
白い煙が立ち込めて右も左もわかりません。
鬼 なんだこの煙は!
ナ わーわーと騒ぐ鬼の声が辺りに響くばかりです。
少しずつ白(しろ)い煙(けむり)は消(き)えていきました。白(しろ)い煙(けむり)が消(き)えると金太郎(きんたろう)も浦島太郎も桃太郎もイヌもサルもキジも鬼たちも膝をついて地面に這いつくばっていました。万年生きる亀だけは平気でしたが、
みんな、100程も歳をとってしまったのです。
もう、誰も戦える元気はありませんでした。
浦 桃ちゃーん、金ちゃーん。
ナ 浦島太郎がよぼよぼとやってきました。
浦 ごめん!玉手箱を落としてしまったらこんなことになって。
桃 何を言っている。目的は果たした。歳をとった鬼はもう二度と人里を襲うことはないであろう。
浦 桃ちゃん!
金 これでよかったんじゃね。
多勢に無勢で勝てなかったかもしれねぇし。
浦 金ちゃん!
金 よっこらしょ、んじゃ、帰るか。
ナ おじいさんになってしまった金太郎と浦島太郎と桃太郎は亀の背中に乗って懐かしい砂浜へと帰って行きました。
私も見たかったです。
残念なことに仕事があり私も子供たちが演じるところを見れませんでした。
次回は9月にあります。9月は観れるといいな。
>トシrotさんへ
色んな解釈の仕方がありますね。
確かに桃太郎達の方が侵略者、バチが当たったのかもですね。
>✿さく✿さんへ
書いてないですが、3個とも開いてしまって全員おじいさんになりました。
もうすぐラストです。最初は前編・後編のつもりでしたが
文字数が入らず1~4に分けました。つぎがラストです。
子供さんたちが演じられてるところが、見たかったです(^^)
あらら