Nicotto Town



シオ、再入学【1】母の神対応

シオ・タイオー。その名の通り「塩対応」な男で、かつてはティルトのチームメイトであった。

成績優秀な勇者だったが、他の3人があまりにダメダメすぎたため、チームの連帯責任としてシオまで留年。
おまけに、父の「フツーノ・タイオー」から早く実家に帰って来いと言われ、泣く泣く学院を去ることに。
そんなシオ・タイオーがフツツカ魔法学院に再入学できたのは、母の「カミ・タイオー」の神対応があってこそ。
「過去よりも今を見なさい。生まれ変わったつもりで学院へ行ってきなさい」と、母に背中を押された。

あの後。1年留年した後、ティルトが学院に残り、無事卒業したことを聞いた。
チームの中で唯一、ティルトがもう1年頑張ることを選んだことすら、シオは知らなかった。
(新入生に混じって再入学か…。悪い噂を立てられそうだな…)シオはちょっと憂鬱な気分になった。
入学式の後は武具選定。シオは前に自分を選んでくれた聖剣に再び選ばれた。
聖剣がシオに語りかける。「おかえり、シオ。またよろしくな」

武具選定が終わったら、今度は寮室へ。どこの部屋に入るかは、すでに決まっている。
シオは自分のネームプレートを確認した。
(前の時は「サツキ・ヤマイ」がすでにベッドに居て、一番乗りじゃなかったって悔しがってたっけ)
昔のことをフッと思い出すシオ。(あの時の自分とは、もう違うんだ…!)
シオは、寮室のドアをノックした。

ーつづくー




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