刻の流れー80
- カテゴリ:自作小説
- 2023/06/05 21:45:18
正面玄関から外に出てくるアキラの姿を通り向かいのビルの3階から双眼鏡が追っていた。
「ターゲット発見。」
男がつぶやく。
それに反応してもう一人の男が目をこすりながら奥から窓際へ出てきた。
「どいつだ?」
ブラインドの隙間から入る明かりに照らされた男達は鈴木と川崎である。
「確かルポライターに同行していた若い男だ。」
鈴木が双眼鏡の倍率を変えながらつぶやいた。
「ルポライターはいるのか?」
双眼鏡の中のアキラが木陰で要の扮する犬飼と話し始めた。
「いたぞ。包帯をしている。」
鈴木の声が興奮してきた。川崎も双眼鏡を出してきた。
「昨夜の怪我だな。やはり入院していたのか・・・」
昨夜、犬飼たちを一人として捕える事が出来なかった本田たちは最後に犬飼を見失った井上医院を張るしかなかった。
「どいつだ?」
ブラインドの隙間から入る明かりに照らされた男達は鈴木と川崎である。
「確かルポライターに同行していた若い男だ。」
鈴木が双眼鏡の倍率を変えながらつぶやいた。
「ルポライターはいるのか?」
双眼鏡の中のアキラが木陰で要の扮する犬飼と話し始めた。
「いたぞ。包帯をしている。」
鈴木の声が興奮してきた。川崎も双眼鏡を出してきた。
「昨夜の怪我だな。やはり入院していたのか・・・」
昨夜、犬飼たちを一人として捕える事が出来なかった本田たちは最後に犬飼を見失った井上医院を張るしかなかった。
本田たちの目の前でひろみは何物かに拉致され、ルポライターは殴られて昏倒したところを医院に担ぎ込まれたのだ。
ひろみをさらったやつらにはまんまと逃げられてしまい、その行方は杳として知れないが、昨夜一晩中医院を張っていた川崎によればルポライターとその連れが病院から出てきた様子はない。
本田は梶に頼み込んで今朝一番に井上病院の駐車場が見渡せる絶好のポイントのこの部屋を借り、鈴木たちが交代で見張っていたのだ。
「とにかく、本田さんに連絡だ。」
川崎が、部屋に早々に取り付けられた電話の受話器に手を伸ばしながら
「目を離すなよ」
と、念を押す。
「わかってる」
「さあ、いつでも来い。」
鈴木はぶっきらぼうにそう言いながら、食い入るようにアキラと犬飼(要)を双眼鏡で追っている。
「とにかく、本田さんに連絡だ。」
川崎が、部屋に早々に取り付けられた電話の受話器に手を伸ばしながら
「目を離すなよ」
と、念を押す。
「わかってる」
「さあ、いつでも来い。」
鈴木はぶっきらぼうにそう言いながら、食い入るようにアキラと犬飼(要)を双眼鏡で追っている。
二言三言話していた男達がお互いに手を振って左右に別かれた。
犬飼らしい男は病院内に入っていく。
若い男の方は外に残って誰かを待っているようだ。
「中を探ってくる。」
鈴木は双眼鏡を机に置いて立ち上がろうとした。
「そう熱くなるな、そのテンションでは持たないぞ。」
復讐心を剥き出しにしている同士の態度に川崎は眉を寄せた。
「まずは本田さんに報告して指示を仰ぐ。やつらも怪我をしてるなら逃げられんさ。」
となだめる。
「わかってるよ・・・」
吐き捨てるように鈴木は言い、浮かせた腰を椅子に下ろした。
「あいつらめ、俺に恥をかかせやがって・・・」
奥歯をかみ締めながらつぶやく。
「中を探ってくる。」
鈴木は双眼鏡を机に置いて立ち上がろうとした。
「そう熱くなるな、そのテンションでは持たないぞ。」
復讐心を剥き出しにしている同士の態度に川崎は眉を寄せた。
「まずは本田さんに報告して指示を仰ぐ。やつらも怪我をしてるなら逃げられんさ。」
となだめる。
「わかってるよ・・・」
吐き捨てるように鈴木は言い、浮かせた腰を椅子に下ろした。
「あいつらめ、俺に恥をかかせやがって・・・」
奥歯をかみ締めながらつぶやく。
2度までも逃げられた事で明らかに動転しているのだ。
「それが いかん!冷静さを失うと自滅するぞ。」
鈴木は頷いたが、目がカニの目のように据わっている。それを見て川崎は肩をすくめたがそれ以上は何も言わず、ラ・パルフェの電話番号をまわし始めた。
「それが いかん!冷静さを失うと自滅するぞ。」
鈴木は頷いたが、目がカニの目のように据わっている。それを見て川崎は肩をすくめたがそれ以上は何も言わず、ラ・パルフェの電話番号をまわし始めた。
ニコ店は何度かお邪魔してます。
筋肉が弛んできたので筋トレを始めました^^既に筋肉痛><
今週も宜しくお願いします♪