Nicotto Town



坂東玉三郎と片岡仁左衛門


玉三郎さんは、歌舞伎の名優であるだけでなく、鼓動をプロデュースしたり、

最近では歌手活動など 様々なジャンルで活動していらっしゃる。
御年73歳

久し振りに 動画でそのトークを拝見して、
「いついつまでも 若々しいなぁ」と思った。

 そりゃ じ~と見れば メイクで頬がこけているのをごまかしているなあとか
 もしかしたら ほほの内側から何かの美容整形したのかな?と思わなくもないけど

 坂東玉三郎、超至近距離の公演に照れ? デメリットは「この年齢で近くで見られる」(日テレNEWS) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/ef2751df94b83592e751ddb7dacd3b993c264d5c

・ファンクラブに入っているわけではないので、どうしても公演情報の入手が後手に回って 最近ぜんぜん舞台を見に行けないのが残念。

~~
そして 片岡仁左衛門さん 79歳
 お年を召して 一層 ダンディーに男ぶりが上がった気がする。

 中年のころは 普通にインタビューを受けていても、ギラギラした感じがちょっと苦手だったんですが、今から思うと カメラを前にすると自動的に役者としてのオーラスイッチが入っていたのかな?
  当時の歌舞伎役者には そういう人が多かったんだよな。

 だからこそ 舞台の上で見栄を切ったら 迫力があったんですが。

片岡仁左衛門「彼とは半世紀以上コンビ」 坂東玉三郎と18年ぶりに与三郎とお富で共演 (ntv.co.jp)
https://news.ntv.co.jp/category/culture/dd0faeba4d2f452b9faf477610b99b2a

『与話情浮名横櫛』
俗にいう 切られ切られの与三郎

「死んだはずだよお富さん♬」というにぎやかな歌謡曲もヒットしたので

私は就学前から見て知ってましたが・・。

幼かったので、船の上での大立ち回りと終盤のシーンだけが印象に残ってます。

特に終わりの方、「死に別れた」と思っていた元恋人のお富さんが生きていたと知って会いにいった与三郎。

今は 良い家のオカミに納まっているお富

与三郎が お富に 恨みごとの一つも言いそうな雰囲気の時に
お富の今の夫が戻ってくる
お富は 夫に出迎えの声をかけながら、身振り手振りでこそっと与三郎に帰ってくれと催促する

最初はむっとした感じの与三郎だったが、やがて お富の様子を見て
そっと帰っていく その後ろ姿を 拝むようにするお富

・登場人物の気持ちは ダイレクトに伝わってきたのだが
 なんで そういう風に感情が動くのか すべてが謎だった。

・今から思えば、私は あらゆる意味で情に恵まれない育ち方をしていたのだと思う。
 その一方で 「人を思いやる気持ちのありよう・生きざま」だけは 物心がつく前からたたき込まれていたから

 どれほど激しく思いあった相手でも 生き別れて
 相手が死んだと思ったまま年月が過ぎたなら
 その人が生きていた(結婚して別の人生を歩んでいる)と知ったら
 遠くから おめでとうと思って そっとしておけばいいのに
 なんで わざわざ乗り込んでいくのか?
  相手の幸せをぶち壊すような真似をするのか?

 そこまで我を通しながら、なぜ いざとなったら相手を思いやって身を引くのか?(だったら 最初から会いに行かなければいいのに)

 自分をかばって死んだ男が 実は生きていて わざわざ会いに来てくれたのに
 なんで 自分の立場を優先して その男を追い返すのか、薄情な女
 
 そのくせ なんで その後ろ姿に感謝するのか 勝手だなぁ

 おまけに 本気で妻を愛しているなら、かつて妻を命がけで守ろうとしてくれた男(たとえそれが元恋人だったとしても)の存在を受け入れるだろうに それができないだろうと 妻から思われている夫との関係って何?

ってマジで思ったもの。

 ・それでも 人間てそういう不合理な生き物だからこそ
  「相手を思いやる生き方をすべき」としつけられているのだと理解して(幼稚園時代にw)
  糞真面目に人生を生きてきて

  なるほど 人間って 感情を持てば
  互いに その感情の押しくらまんじゅうになるのねぇ

  そして 未熟な人間ほど 相手かまわず 自分の感情のみを優先してごり押しするから

  それに対して 理性的に対処する者だけが 余分な苦しみを背負わされ味わうのねぇ

  とぼやきつつ、この歳になれば

  こういう歌舞伎の演目も ただの物語として ただただ役者さんの演技力を
  見て楽しむようになりました。

ヤレヤレ

 まあ 幼子に 男女の色恋から来る嫉妬について理解するのは無理だったとは思うけど(笑)

 そういう意味では 大人が見る演芸を 子供に見せるのも
 どうなんよ?という気がしたので、

私が子育てするときには そのあたり かなり気を配って 逆に 一緒に暮らす家族として自分個人の楽しみにかなり制約がかかってしんどくなりました(-_-;)

 おかげでうちの子らは 伸び伸び育って幸せに青春してますが 
「親である私の感情には無頓着だな。もうちょっと親でもあり人間でもある私の内面を知らせる子育てをした方がよかったか?」と反省もちょっぴりしている私(笑)
 ほんと 子育ってむつかしいわw
 特に核家族になるほど・・・いろいろな意味で。

 それでも 子供は成長していきますけどねw
 ありがたいことに。


 と 2本のインタビュー動画を見て、これまでに見た舞台を思い出しつつ
ふと 自分の来た道を思い出しました。

歌舞伎の中でも 人気のある演目ってのは
人の世の不条理というより 互いの感情のすれ違い・葛藤を描きつつも
それなりに おさまりの良い結末に持って行くところに その魅力があるのだろうと思う

 言ってみれば 多くの人に受け入れられそうな「いい話」的落としどころ
  それが まじめな道徳、糞真面目な哲学・命を懸ける思想とはちがって
  そこそこの 人生訓みたいに 受け取る人も居るのかな・・・

 そこが 大衆受けだけを狙う演芸やドラマの類いとは違って
「文化でございます」って歌舞伎がいばりんぼする部分かもしれない・・

ならば 今の若手歌舞伎役者 もっとまじめに生きんかい! と言いたい。

中堅どころが、歌舞伎の演目に飲まれて 自殺を図るようでは困るけど
 そういう意味では 歌舞伎の演目も 幅が広いからなあ・・・

役者さんも バランスよく 古典を演じて行かないと
 心のバランスが崩れやすくなるかもしれないと 直近の事件から思いました。

「情」を演じ続ける怖さ とも言えます。

 そして 演目と実生活の充実とのバランスをとる必要性も。

特に 中世ものの演目は、己の心を殺して生きねばならぬが殺しきれぬ慟哭を演じるものが多いから
あれ系をまじめにやってると かなり役者の精神が疲弊すると思う。

なにしろ 現代生活では 己の心を殺すメリットも
パッションを実利に活かす機会もないから
古典的な心情・生活訓を刷り込まれて育った人間には
きわめて生きにくいを通り越して 
無理無理 無理がありすぎる現代日本だから。
 





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