Nicotto Town



丼勘定【3】モルモス・セブン【終】

モルモス・セブン…セルティック王国とウェルカム王国の国境線に位置する町。

この町では、何をおいても「7」が優遇される。したがって、国境を越えるには7人で行くと良いのだ。
「7人だから通っていいよ~!通行証?そんなのいいからいいから!」
(それでいいのか?)7人だからとあっさり通されて拍子抜けしているトリオン。それを知らないと…。
「待~て~!!俺様の花嫁を返すのだぁ~!!」何と!ドン・ブリカン・ジョーが追いついてきた!
「あーあー、ダメダメ!おひとり様?7人じゃないから通れないよ!ほら、列に並んで並んで!」
「え~っ!?何それ何それ!?何かおかしくな~い?」急にギャル口調で喋るドン・ブリカン・ジョー。
地団駄踏んで悔しがってるドン・ブリカン・ジョーをよそに、マリアとトリオンたちは、難なく国境を越えた。

「そんなワケで私はトリオンさんと一緒にウェルカム王国に来たんですぅ~」
「そうだったんですか…(ていうか、半分ノロケ入ってない?)」イルゼは苦笑いした。
「マリア!やっぱりここだったか!」
「マリア~、お腹空いたよ~。お弁当はキミが持ってるじゃないか~!」
トリオンとブランが新聞部の部室に入ってきた。
「イルゼ・ルイーゼ!オレに取材を断られたからって、今度はマリアに取材をしているとはな…
事前に言っておくべきだったな」
「トリオンさん、ブランさん!あ、そうだ!今日はここでお昼を食べませんかぁ?」
「やめとけやめとけ!根掘り葉掘り色々と聞かれて新聞記事にされるぞ!?」
「そうなんですかぁ?そんなことしませんよね?イルゼさん」
「え、ええ…あくまでオフレコということで…」トリオン先生が睨んでいる中、迂闊なことは言えない。
「シッソナ姫、ジミナ…キミたちも新聞部なのかい?」ブランはシッソナとジミナに話を振った。
「ジミナは部員だけど、私は単なる付き添い。ていうか、ブラン。大丈夫なの?」
「え?何が?」
「何がって…マリアさんのセルティック王国時代の話聞いてたけどさぁ~」
あっちこっちで話が盛り上がり、お弁当を広げてさらに話に花が咲く。
昼休みはあっという間に過ぎていった。

国境の検問を通れず足踏みしていたドン・ブリカン・ジョーは、セルティック王国近衛隊に逮捕された。
ナローケイ現象の影響で来た異世界の連中にセルティック王国の情報を売って私腹を肥やしていた。
確たる証拠がなく逮捕できずにいたが、結婚式でアジトが手薄になった所をガサ入れし、裏付けが取れた。
ドン・ブリカン・ジョーの私設軍隊は白衣の戦乙女隊の特製睡眠薬でオネンネしていて使い物にならなかった。
ドン・ブリカン・ジョーは、監獄島「アルカアニカ島」へ島流しになった。
「おのれ!!トリオン・シニュフォード・メンドーサ!!このままじゃ済まさんのだぁ~!!覚えてろ~!!」
鉄格子の向こうでドン・ブリカン・ジョーの叫びがこだまするのだった。

ーおわりー




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