Nicotto Town


しだれ桜❧


刻の流れー90

病室のブラインドの隙間から駐車場を見ていた環がアキラに声をかけた。
「CB750だ・・・・」
食べかけの弁当を横のテーブルにおいて、アキラが窓際に近寄ってきた。枝の隙間から駐車場に懐かしいロスマンズカラーのCB750がとまっていた。

要は見当たらないので、きっと病室まで上がってくるところなのだろう。案の定、
『とんとん』
とドアにノックの音がした。
「YZR」
「GPZ」
合言葉があって、アキラがドアを開けると、要が飛びっきりの美少女を連れて立っていた。
「よお。変わったことはないか?」
ドアに施錠して、要が聞いた。
アキラと環は桜に見とれて口をあけている。それに気付いて、
「あ・・・こいつは、桜。」
要が紹介する。
「昨日約束したひろみさんの替え玉だ。」
桜が二人にペコッと頭を下げた。
パーマあてたての髪が揺れ、良い香りが病室に広がった。
白いTシャツにブルージーンズ、動きやすいローヒールを履いてきた桜は年齢とかけ離れた色香を出している。
「おい、要 何でお前ばかりええ目をするねん。」
我に返ったアキラと環が口々に言う。
「よく言うよ。お前達だって可愛い子が回りに一杯じゃないか。」
要が言い返した。
「・・・どうだ?ひろみさんに見えるか?」
病室前からちらりと見ただけでひろみに会った事がない要が、心配そうにアキラに聞いた。
アキラは改めて桜を観察した。髪形と背格好はよく似ている。
「車椅子がいるな。」
とだけ言った。
「必要なら、ここで借りれるよ。」
にっと笑った要にアキラは親指を立てた。
「あっそうだ。」
要が思い出したように、
「俺、明日から1週間休みになったんだ。」
嬉しそうに報告する。
「ええー、ほんまか?」
「どうなっとうんや?」
アキラと環が口々に言う。要は店のシャンデリアが落ちて、急に改装をする事になった話をした。
「おいおい、願ったり叶ったりやん。てか、できすぎちゃうんか?」
そう言われみると、確かに話がうまく進みすぎている感じがしないでもない。
タイミングが良すぎるし、そもそも一週間でヨーロッパの特注のシャンデリアが日本まで来るのだろうか?製作日数を考えると絶対間に合わないような気がする。
思わず桜を振り返ると、
「鎖が古くなっていたのは事実だし、特注と言っても一から作るわけじゃないのよ。」
と助け舟を出した。
「梶さんのことだから、注文はもう入れていて、仕上がりを見に行くだけだと思うわ。」
芸術という繋がりのため不本意ながらに梶をよく理解している桜だけに説得力がある。
「そうだな。店も一週間以上は閉められないんだろう。」
要も同意した。
「納得した所で、ほんなら、会議にはいろか?」
アキラが折りたたみの椅子を広げながら言った。
環が備え付けの冷蔵庫からサイダーを出し要と桜に渡す。
「ありがとう。」
さくらの良く転がる心地よい声が響くと環が伏目がちに照れながら頭を掻いた。
「さて、囮役はこれで揃った訳やな。」
アキラが一同を見渡した。あとの3人が頷く。
「当初の計画では、犬飼さんは4、5日で退院やったな。それから神戸中を走り回る。」
と前置きをしてから、
「そやけど、事情が変った。」
「え?」
「犬飼さんから昨日の晩連絡があったんや。」
アキラがまじめな顔をして言う。
「あいつらがどっかからこの病院を見張っとうとは思てたけど・・・」
と言いながら、窓際へ寄った。
「あの、向かいにあるビル。あそこから見張っとうらしい。」
犬飼がその情報をどこから仕入れてきたのかわからない。しかし実際に敵の居所がわかると少なからず恐怖を覚える。要と環は武者震いした。
「敵は三人や。」
「それと、あいつら、バイクを手に入れたらしい。」
アキラは険しい顔をした。
「『手伝ってくれと頼んだが、やはり危険すぎる。すぐに撤退しろ。』」
「以上、犬飼さんの伝言や。」
気まずい沈黙が部屋に流れた。

アバター
2023/07/08 22:38
40年も前の話やし 
元旦那のお友達がCBナナハン
元旦那がGPZ
YZRは ヤマハの社員でしたよww
私は中免だから VT250(=^・^=)
てか お話の設定が 公衆電話やしね(*´艸`)
アバター
2023/07/08 20:49
こんばんは
CB750 YZR GPZ
し~ちゃさん ↑こんなカッコいいバイク乗ってるんですか
凄い ヽ(^o^)丿




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