Nicotto Town


なるべく気楽に気楽に~!


煙の方向 第九章


第九章

3週間後の水曜日にまた会う約束をして、私は彼の部屋を後にした。
帰り道の途中、喫煙所を見つけ私は煙草を吸おうと思い、立ち寄る事にした。
正直な所、「嬉しかった」それが何よりも私の本音だった。
私がふと思った身体を求められる事が無かったことが「嬉しかった」のである。
喫煙所に人は誰一人もいなく、私一人の空間だった。
私は煙草を吸い、煙はどっちへ向かうだろう、そんな事を思い
右へ流れれば、私の感覚は間違いではない。
それと逆に左へと流れれば、私の感覚は間違いだった。
そんな面白半分な遊びを思い付いて煙草の煙だけを見詰めていた。
煙の方向は真っ直ぐへと上へと昇って行った。
神は答えを教えてはくれないらしい。
ヒントすらくれない煙草の煙の方向へと視線を上げる。
少しづつ暗くなり始めていた空へと思いを馳せる。
暗くなり始めていた空には一番星が輝いていた。
「さて、お遊びは終わり、帰ろう」そんな独り言を呟いて、
私は主人のいる家へと帰路に着く。
歩いて帰ろうかとも思ったのだが、流石に気温も下がり始めていて、
電車で帰る事にした。
「ただいま」家へと着いた私は主人にそう伝え、返答のない主人に対して
「今日はありがとうね、お疲れ様」また作りたくもない笑顔で接していた。
自室へと戻り、やはり人と接すると疲れてしまう私は着替えを済ませ、
お風呂へ入る事も億劫になってしまった為、自室でボーっとして時間を過ごしていた。
すっかりと真夜中になる頃、私は彼からの連絡に目を通していた。
「気を付けて帰ってね」と「もう家に着いたのかな?」そんな連絡が来ていた。
私は、「遅くにごめんね」と伝え彼へと連絡を返していた。
その後、2日に渡り彼からの連絡は途絶えていた。

アバター
2023/08/11 20:10
こんばんは。
いつもありがとうございます。
お盆ですし生活優先でご無理なさらないでくださいね。
でもこちらがいい息抜きになってるのだとしたら 私も嬉しく思います。
台風のせいか天候不順ですよね。
黒猫さんもどうぞお身体大切になさってください。
優しいお言葉いつも感謝しております。

コイントスのような タバコの煙占い 面白いですね。
現実へ戻り 彼からの連絡が途絶え 少し心がざわざわしています。



Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.