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【おすすめ】 仮面ライダー1号

いつぶりの【おすすめ】ですかねw


仮面ライダー1号

オリジナルのTVドラマではありません。
2016年に、仮面ライダー生誕45周年記念企画として公開された「仮面ライダー1号」です。わたしは、このタイトルを見た時に、「ああ、これは本気なのかもしれない」と思いました。

仮面ライダーの映画は山ほどあるし、古いライダーが出てくる映画もたくさんありますが、どれもそのタイトルは「ライダー○○大戦」だとか、旧ライダー「も」使った企画ものでしかないというスタンスがそのまま表れたような印象を持っていました。

しかし、この映画のタイトルは、掛け値なし、そのものズバリ「仮面ライダー1号」



実は、もともとこの映画を見る予定はなく、「シン・仮面ライダー」を見たことがきっかけで流れで見たものでした。

「シン・仮面ライダー」

シン・ゴジラ、シン・ウルトラマンと続いた、庵野秀明シン三部作のラストを飾った映画です(あれ?ウルトラマンと順番が逆だっけ?)。
私自身は、大学生の頃にエヴァンゲリオンが放送された世代ですので、世の中一般の庵野秀明ファンの流れの先頭の年代にいるわけですが、もともと私自身がアニメ好き、特撮好きでしたから(オタクと自称できるほどのものではありません)、エヴァンゲリオンのずっと以前から庵野秀明さんのことは知っていましたし、エヴァンゲリオンに至るまでの彼の参加した作品も大よそ見てきてはいました。
端的に、悪い印象は持っておらず、こんなことを書くとこのあたりのことに詳しい人には何様だと怒られそうだけれど、私が辿ったアニメ遍歴のど真ん中には常に庵野秀明さんがいて、約10歳年上の方でしたが、こうも指向性が同じような人がいるのかと思っていた記憶はあります。

しかし、わたしはエヴァンゲリオンは好きではありませんでした。

いや、好きではないという表現は、間違えています。
エヴァンゲリオンが流行った、あの風潮が大嫌いでした。
当時21歳とか22歳でしたが、テーマとなり、取り沙汰され共感したとかなんとか適当なことを言われていたような、そういうグダグダした自意識は二十歳くらいまでに終わらせておいてくれ、いい大人がみっともないと思ったし、物語が複雑で高度で難しいという評価になっていましたが、まがいなりにも哲学などをカジっていた学生の思考回路からすると別に難しいこともなくて、特に解説されなくて大体わかりましたけど、というのが実際でした。

いずれにしても、そのあたりから、わたしは庵野秀明という人から離れて行った気がします。


そして一昨日。
なにかAmazonで観ようかな~と映画を探していると、たまたま「シン・仮面ライダー」が目に入りました。

正直、見ようかどうかだいぶ迷ったのですが、ままよと再生ボタンを押してみました。もちろん最後まで見ました。



なんでこんな事になってしまったんだろう。



物語も、人物も、何も語っていないし、そもそも語れるだけの設定もない。だから、それをトレースする物語がそもそも的に作れていない。だそれっぽい映像が流れるだけ。
まあ、変身がライダーへの変身ではなく、改造人間そのものへの変身であり、仮面ライダーの外見は、自分の意思でプロテクターを装着しているだけという設定は、ちょっとおもしろいなと思いはしましたが。


話が横道にそれるようですが、実は昨日の夜に、映画を劇場で見てきました。

「君はいかに生きるか」

宮崎駿さんの復活作品です。
期待はしていませんでしたが、あまりの内容にうなだれる様に視聴を終えました。きわめてシンプルで普通な結論に至るために、無意味で自分自身に自分自身が語り掛けるような自己完結した遠回りをして、結果的に何も語れていない。言いたいことは、ある程度は理解したと思いますが、だからなんだというところです。

正直思うんですよね。
宮崎駿さんは、自分が宮崎駿であることに甘えている。
こんなものを公開しても、宮崎駿だから許されると。
出来の良し悪しというよりも、これは自身が作って自身で観ればいい作品であって、他者に鑑賞させるようなものではないと思う。
ジブリ作品が徐々に観念的になっていったプロセスを、私は必ずしも否定はしません。しかし、もうそろそろやめた方が良いと思う。


シン・仮面ライダーを見た感想は、いや、シン・仮面ライダーを撮った庵野秀明さんへの印象は、君はいかに生きるかを見た時の印象とは、どこかで私の中では重なっています。だから同じことを書いておきます。
期待はしていませんでしたが、あまりの内容にうなだれる様に視聴を終えました。


そして、視聴後に「あなたにオススメ」で出て来た中にあった映画。それが「仮面ライダー1号」でした。


ここ数日の、暗い気持ちが少し晴れましたねw


芳しくはない評価は色々あります。
1号のスーツのデザインがカッコ悪いみたいな表面的な好き嫌いの話に始まり、ストーリーの粗から、そして当然の様に出てくる「藤岡弘のプロモーション映画かよw」というものまで。


は?


そもそも仮面ライダー1号は、いや本郷猛は、藤岡弘ですよ。
クソみたいな説教を垂れるなと? いや、それをやらなかったら、いま、この現代で藤岡弘を全面フューチャーして、そのものズバリ「仮面ライダー1号」と銘打つ映画を何のためにつくるんだ?

御年70にもなっても衰えない、あの物凄い目で、あの地から湧き出るような声で、若いライダーに「命はなぜ尊いのか。答えてみろ」と迫る。

持って回ったようなヤヤコシイ理屈も、知ったようなヒネッた論理も、なにもない。

劇中、一度死に、そして復活した本郷猛は言う。

「いままで戦ってきた仲間たち、友人たちが俺を支えてくれている。だから、俺は不死身だ」

もはやただの藤岡弘さん自身の言葉でしかないし、だからこそ含みもひねりも何もない、驚くほどに単純な言葉。彼自身が、含みもひねりも何もない、驚くほどに単純であるが故の、圧倒的な言葉の存在感。
それを幼稚だと批判するのは簡単だし、むしろその通りかもしれない。たしかに幼稚だと思いますよ。

しかし、そんな批判など跳ね飛ばす、鋼の言葉。
それは、1号が、本郷猛が、藤岡弘だから、としか言いようがない。


ヒーロー映画は、それでいい。
昔ながらのヒーロー映画を引っ張り出し、そこに難しい人間関係や、生きる葛藤や、哲学的な問いを乗せて語らせるやり方は、嫌いじゃない。わたしはそれを否定しません。むしろ好きですね。

しかし、それは難しい。

出来ないのなら、潔く諦めた方がいい。

潔く、あれから45年たった仮面ライダー1号に、45年の年月を積んだ藤岡弘が変身する。

もう、それだけでいいだろう。

わたしは、そう思います。


庵野さん。
わたしは「オネアミスの翼」が作りたくて、ガイナックスを立ち上げたあなたが好きでしたよ。

戻っておいでよ。

アバター
2023/08/14 16:38
食べログとか見ていると、時々見かけるんですよね。街の洋食屋みたいな店に対して、店内の雰囲気あどうとか、サービスがどうとか、したり顔で言うわけです。。。 お前は何処に飯を食いに来いているんだ、どこかのフレンチか、と。

批評とは、批評される側が好き勝手な立ち位置で行うものではなく、批評される側に合わせた切り口を以て行うものだと思います。だから、批評する側はその多様な切り口に対応する想像力と経験と知識が必要なのだと思います。

なかなか難しいですね。。。
まあ、お暇でしたらご覧ください。映画「藤岡弘(副題:仮面ライダー1号)」をw
アバター
2023/08/14 16:20
「本郷猛は、藤岡弘ですよ。」はい、おっしゃる通りです。
いつだってそう思ってるさ!子供の時に脳に擦りこまれているし、
あの重ったるい演技しかできない藤岡さんの持つ「どうしてもさわやかになれない」感じと、ショッカーに捕まってあんな体にされちゃった根底にある絶望感がちょうどよい具合なんだもの~。

そっか・・・シン・仮面ライダーはそんな感じなのか。
西野七瀬ちゃんが出ているから見ようかなとは思ってたんだけど。

私もエヴァは、どうも刺さらなかったです。テレビシリーズを少しみて「体に合わん!」と思った。
なんか「甘ったれた精神」が溢れている感じがして・・・。もっとも「合わない!」と思った時点で見続ける根気がなくなったから、全部見ていないくせにあれこれ言うなと言われてしまったら、すみませんって感じなんですが。

宮崎駿監督の「君たちはどういきるか」は観に行く気もしません。
そもそも宣伝しないというところで




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