Nicotto Town



ギター入りトリオの愛聴盤10枚



バンドマンを激怒させる方法のひとつに、
そいつが全く好まないタイプのレコードやCDをワザと素知らぬふりで、
「好きそうだと思うから聴いてみたら?」と渡す方法がある。

コレは訣別覚悟の物凄いやり方(経験談)。やる時は注意してね。
さて先日「ホールズワース好きですよね?」と某ギタリストを勧められた。
聴いて激怒。先達の遺産を編集感覚で組み合わせたバカを神と一緒にすんな。

そこで愛聴するギター(入り)トリオを年代順に10枚並べてみよう。
現代に繋がる殆どのスタイルは網羅されてると思いますので、
続けて聴くとギター音楽のバリエーションに触れられるかもしれませぬ。

【1】『The  Poll Winners』(1957)

バーニーケッセル、レイブラウンにシェリーマン。王道でしょう。
スタンダードな名手を知ることは大切、ジャズギターど真ん中です。
ジムホール『Jazz Guitar』は以前数回紹介してるので外しました。

【2】『Monterey International Pop Festival』(1967)

ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスを聴かずに生きてちゃダメ。
『星条旗よ永遠なれ』を知らずしてギターに触っちゃダメ。
ジミはこの頃がスキ。迷いの無い自己顕示欲が演奏を輝かせている。

【3】『Emergency!』(1969)

若き俊英マクラフリンがトニーウイリアムス・ラリーヤングと大格闘。
音はヒドいがそこも含め凄い。訳ワカンないフレーズの洪水です。
ジャックブルース入りの2nd『Turn it over』も愛聴。

【4】『Company 2』(1976)

デレクベイリー、アンソニーブラクストン、エヴァンパーカーの完全即興。
Incusから出ているCompanyシリーズは欧州フリーの必修科目。
ブラクストンの異質さも面白い。ベイリーは常に徹底した個人主義者。

【5】『DNA on DNA』(1978~82)

アートリンゼイのDNA時代の演奏を収めた編集版です。
ジャンルは違うけど、ウイルコジョンソンのギターに通ずる熱さが佳い。
チャーリークリスチャンやクラプトン同様、彼のプレイもギタリストの手本。

【6】『Killing Time』(1981)

フレッドフリスは好みでないけど、MassacreもDNA同様影響力が大きい。
ビルラズウェルとフレッドマーと共に創り上げた知的すぎる虐殺空間。
そう、フリスに没入できないのは非常に高度な知的さを感じるせいなのです。

【7】『I.O.U』(1982)

御大ホールズワース大先生の真のデビュー盤にして最高傑作。
コンポラギターでこのアルバムを引用してないものは皆無じゃないか。
これを超えるギターアルバムに出会うことは死ぬまで無理であろう。

【8】『Shinola』(1982)

ジョンスコフィールドの変態ぶりが堪能できるライブ。
いかにジャズフィールドに留まりつつ、自分の音楽を表現するか、
音質、リズム、旋律、和声、表現を含め確立していった時期の超名演です。

【9】『Odyssey』(1983)

ジェームズブラッドウルマーが新境地に至った記念碑。
ヴァイオリンとドラムという変則トリオでウルマーのドローンが冴える。
ファンキーでソウルフルでジャジーでアグレッシブでダンサブル。

【10】『Live in Boston』(1986)

ジョンアバークロンビー、マークジョンソンにアースキンのライブ。
この人は本当に揺らがない。ジョンスコが陽の変態なら、彼は陰の変態。
美しさが微妙に解れ捻じれ、たゆたう様が素晴らしい。

どのギタリストも一世を風靡したスタイリストといえるでしょ?
メセニーは苦手なので除外したけど『Bright Size Life』はやはり名盤。
あ、日本人入れ忘れた。加納秀人さん、外道50周年おめでとうございます。




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