初めての物理学(5)波
- カテゴリ:勉強
- 2023/09/16 17:06:59
◎波の伝わり方
密度が高いところと低いところを伝える波を、縦波、若しくは疎密波と言う。縦波には、例えば音などがある。
位置のずれを伝える波を、横波と言う。横波には、例えば水の波や光などがある。
波がt[秒]間にx[m]進む時、波の速さをv[m/s]とすると、
v=x/t
と表せる。
◎波の成り立ち
波を伝える物質を、媒質と言う。媒質が1回振動すると、波は波長1つ分進む。
◎波の表し方
横波の変異が最も高いところを山、最も低いところを谷と言う。
縦波の密度が最も高いところを密、最も低いところを疎と言う。
◎振動を表す量
波が波長1つ分進むのにかかる時間を、周期と言う。
波の速さをv[m/s]、周期をT[秒]、波長をλ[m]とすると、
v=λ/T
と表せる。
媒質が1秒間に振動する回数を、振動数と言う。
振動数の単位は、Hz(ヘルツ)である。媒質が1秒間に1回振動する時の振動数を、1Hzと言う。
振動数をf[Hz]、周期をT[秒]、波の速さをv[m/s]、波長をλ[m]とすると、
f=1/T
v=fλ
と表せる。
◎波の独立性
いくつかの波が重なった時、それぞれの波は自分の振幅を維持しながら、自分の方向へ進む。このことを、波の独立性と言う。
◎波の重ね合わせ
いくつかの波が重なったものを、合成波と言う。合成波の振幅は、それぞれの波の振幅を足したものと同じである。このことを、重ね合わせの原理と言う。
◎定常波
同じ振幅と波長をもつ波同士が重なってできた合成波のことを、定常波と言う。
定常波は、その場にとどまっているように見える。
◎音
物体が動くと、周囲の空気が疎になったり密になったりして、媒質が空気である疎密波、つまり音ができる。
空気中において、音速をv[m/s]、気温をt[℃]とすると、
v=331.5+0.6t
と表せる。
◎音の要素
音の要素は、音の高さ、音の大きさと音色で表せる。
振動数が大きくなるほど音は高くなり、振幅が大きくなるほど音は大きくなる。
◎うなり
若干異なる振動数をもつ音波同士が重なると、「ワーン、ワーン」と聞こえる。
振動数の差が大きくなるほど、1秒間に聞こえるうなりの回数は多くなる。1秒間に聞こえるうなりの回数をf[回]、一方の音波の振動数をf₁[Hz]、もう一方の音波の振動数をf₂[Hz]とすると、
f=|f₁-f₂|
と表せる。
◎固有振動
音を発生させるものには、弦、閉管と開管の3種類がある。
1 弦
nを正の整数として、長さがL[m]である弦に、波長の半分の長さがn個入る定常波ができた時、波長をλn[m]とすると、
λn=2L/n
と表せる。
波長が弦の長さの2倍である波を、その弦の基本振動と言う。nを正の整数として、振動数が基本振動のn倍である波を、n倍振動と言う。
nを正の整数として、n倍振動の振動数をfn[Hz]、波の速さをv[m/s]、波長をλn[m]、弦の長さをL[m]とすると、
fn=v/λn
=v/(2L/n)
=nv/2L
と表せる。
2 閉管
nを正の奇数として、長さがL[m]である弦に、波長の1/4の長さがn個入る定常波ができた時、波長をλn[m]とすると、
λn=4L/n
と表せる。
nを正の奇数として、n倍振動の振動数をfn[Hz]、波の速さをv[m/s]、波長をλn[m]、弦の長さをL[m]とすると、
fn=v/λn
=v/(4L/n)
=nv/4L
と表せる。
3 開管
nを正の整数として、長さがL[m]である弦に、波長の半分の長さがn個入る定常波ができた時、波長をλn[m]とすると、
λn=2L/n
と表せる。
nを正の整数として、n倍振動の振動数をfn[Hz]、波の速さをv[m/s]、波長をλn[m]、弦の長さをL[m]とすると、
fn=v/λn
=v/(2L/n)
=nv/2L
と表せる。