黒いピアノと黒い猫 9
- カテゴリ:自作小説
- 2023/09/26 21:26:15
ダヤン人の父と息子を「保護」するためにその家を訪れた特殊警察官3人は
人の気配が全くないことに気付いた。
1人は車に残り、外から家を見張る。
2人は室内に入り、親子が隠れていないか探し始める。
どこか蛙に似た表情のずんぐりした背の低い男が上官らしい。
「念のために、全ての部屋の収納庫やベッドやソファの下も探せ。カーペットの下もだ。貴金属も見つけ次第没収しろ」
しかし、室内には質素な家財道具しか残ってはいなかった。
ただ1つ、黒く艶やかなピアノを除いては。
「このピアノはよく手入れされてるようだな。後で撤収しようか…」
部下の男が何気なくピアノの蓋に触れると、何か違和感があった。
直後、ピアノの蓋がひとりでに持ち上がったかと思うと中から灰色の巨大な蛇が大きく口を開け牙をむきだした。予期せぬものの襲撃に一瞬身体を硬直させた警官は右手首の激痛に悲鳴をあげた。
蛇は悲鳴に頓着せず、ゆっくりと手首の動脈を牙で探りそれを切り裂いた。
直後、噴水のように血しぶきが飛ぶ。
左手で右手首を握りながら警官は助けを求め、後ろを振り向いた。
蛙に似た男は巨大な黒猫と格闘している。男の顔から首筋にかけて赤い筋が何本もできそこから血が流れていた。男は銃口を黒猫に向けるが、信じられない跳躍とスピードでかわされていた。
右脚に違和感を感じた男がふと見ると蛇が巻き付いており、男は床に仰向けに倒れた。その瞬間に黒猫が男の頸動脈に噛みつこうと飛び掛かる。
男は至近距離で黒猫の胸を下から撃った!
銃声が響いた直後、窓ガラスを割りカラスが男の顔に激突した。
激痛の中、男は自分の左目がカラスに潰されたことを悟った。
そして、確かに胸を撃ち抜いて殺したはずの黒猫が自分の拳銃を咥えて走り去るところを残された右目で追った。
外で車に残っていた男は無数のネズミに襲われ、もがいていた。
車から火の手があがる直前に、男は逃れることができたがこの惨状の原因を誰が信じるだろうかと思った。
蛇も黒猫もカラスもネズミも、現れた時と同様に唐突に消え去っていたのだから。
続
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- せんちゃん
- 2023/09/26 22:32
- ちくちくたん、「ファンタ血ぃ」誰がうまいこといえとww
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- せんちゃん
- 2023/09/26 22:30
- もふもふさん、クマさんも出そうかアライグマもとかいろいろ考えましたww
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- ちくちく
- 2023/09/26 21:47
- ( ̄□ ̄;)ハワワわわわわわ・・・せんちゃん、これは・・ファンタ血ぃ・・・
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- もふもふ0304
- 2023/09/26 21:46
- もっと動物をいっぱい出して~。
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- せんちゃん
- 2023/09/26 21:37
- あと1回か2回で終わります~。
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