黒いピアノと黒い猫 10
- カテゴリ:自作小説
- 2023/09/27 19:36:25
父から聞いてはいたけれど、目の前で父が倒れているのを眺めていると不安になる。
眠っているように見えるけれど、どんなにゆすっても起きない。
もちろん、耳元で呼びかけてもピクリともしない。
父は言っていた。
「ダヤン人の中には稀に、動物の霊を持って生まれてくる者がいる。俺は人間として暮らしているが、スイッチを入れ替えるように黒猫の姿になれる。黒猫の姿は霊なので、どんな武器でも殺すことはできない。」
「同じようにネズミ、蛇、カラスの姿になれるダヤン人の仲間がいる」
「みんな、不死身なの!?」
「不死身じゃない。本体である人間の体に致命傷を受けたら死ぬ。動物の姿になっている時は人間の体は全くの無防備になる。そこを狙われたら終わりだ。」
「怪我を負わなくても、生身だから飢えや寒さで命を落とすこともある。」
「同志ルービン、だからお前には俺の本体の肉体をこの小屋で守っていて欲しい」
「万が一、あいつらに見つかったらどうしよう…」
「その時は俺を呼べ。ダヤン人は強い絆を持つ者同士なら心で呼び合うことが可能だ。どんなに離れていてもお前が強く心で呼びかければ必ず俺の魂に届く」
父の体を毛布で包みながら、僕は早く父が戻ってくれることだけを祈っていた。
父は物心ついた時から、その不思議な能力を操っていたという。
僕にはそんな能力はない。
子供時代に発現しなければ、そのまま普通の人間として人生を終えるのだそうだ。
それが大多数のダヤン人だとも。
どこかから、草を搔き分けるような音がした。
何かが吠える声と、男が命令するような声もかすかに聞こえた。
全身を耳にして音の方向を確かめる。
間違いない。
この小屋に向かって犬を連れた追手が近づいてくる!
続
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- せんちゃん
- 2023/09/28 06:25
- ちくちくたん、ルービン君はいきなりわんこをぶんぶん振り回して撃退しました。終。ww
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- ちくちく
- 2023/09/27 20:38
- ( ̄□ ̄;)わ、ワンコ・・・
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- せんちゃん
- 2023/09/27 20:19
- もふもふさんをハラハラさせられて、嬉しい(⌒∇⌒)。
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- もふもふ0304
- 2023/09/27 20:02
- ハラハラする~!
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