【お話】胡蝶の夢
- カテゴリ:コーデ広場
- 2023/10/06 13:43:44
僕がこの世界を夢見ているのか、この世界が僕を夢見ているのか。不思議だね。
もらったステキコーデ♪:21
時間旅行をしてみたんだ。
星と月と太陽の位置を確認して、その場を利用して、
過去に消えてしまった国の、夢の跡を見て回った。
お城や図書室、人々の暮らしていた街の中なんかをね。
呪文で構成された建物の群れは、世界が記憶している過去の姿。
確かにそこにあるのに、でも実際には、消えてしまったもの。
不思議な気分に陥ったよ。
僕はこの世界を、呪文で構成して夢見ている。
でもこの世界にとっては、僕の方が夢なんじゃないかってね。
胡蝶の夢って物語があったでしょう。
夢を見ているのはわたしか、それとも夢の中に出てきた蝶が、わたしを夢見ているのか。
そう自問自答した賢者がいたってね。
静かにたたずむ建物の群れを見ながら、
確かに人がいた生活の跡をたどりながら、
僕もそう思ってしまった。この世界を夢見ているのは僕なのか?
それとも、僕の方が……滅びゆくこの世界が、覚えていてほしいと思い描いた夢なのか……ってね。
ああ、大丈夫。
ちゃんと戻って来れたよ。だからそんな、不安そうな顔をしないで。
僕は僕の、いるべき場所を知っているから。
めったなことで、夢に飲み込まれたりはしないさ。美しい夢ではあったけれども。
僕はこちらの世界で君がいれてくれる、美味しいお茶が好きなんだ。それを飲みたくて帰ってきた。
お土産にジンジャークッキーを持ってきたんだ。一緒に食べよう。お茶、いれてくれる?
***
胡蝶の夢。
荘子が見た夢の話で、夢の中で、自分は蝶になって飛んでいた。
目が覚めたあと、自分は蝶の夢を見ていたのか。それとも本当は、蝶の方が本来の自分自身で、ここにいる自分は、蝶が見ているただの夢なのではないか。
そんな疑問を抱いた、という物語です。
魔法に呼ばれて、あるいは溺れて、帰ってこれなくなる物語が一時期、流行ったことがありました。
足で地面を踏みしめて、しっかりと生きる。ただそれだけのことが、疲れた人にはむずかしい。
夢に逃避することが、悪いわけではありません。
逃避して遊んだあと、戻ってくることが大切なのです。
戻ってくるからこそ、夢も美しさを増す。現実で命を輝かせるからこそ、夢の世界が美しいものとなる。
誰かと一緒に、お茶を分かち合う。その大切さを選ぶからこそ、
置いてきた夢のかけらは、豊かな輝きを放つのです。
唯仏是真?
思わず検索しちゃった(⌒∇⌒)