Nicotto Town


春巻きのトキどき日記


世界のミカタとその深淵を

自分はオタクではあるけれど、知識が無い。

作品そのものについてはまだ良いのだけれど、
それが描かれた時代背景とか、媒体とか、作者についてとか、
そういう作品を支える部分についての知識が乏しい。

もっと言えば単純に世の中のことを知らなさすぎる。
国の歴史とか地理、芸能や音楽も怪しい。

そんな自分を自覚しているからこそ、
そんな自分を甘やかすからこそ、
いろいろ悲しいことがあったり、意地悪な人も居たりする世界について諦めがついている。


でも、聡明で知識が豊富な人にとっては、
ままならない"世界"が辛いんだろうなあ
…と思うことがありました。


そもそも生きていく上ではだいたいそんなものなのでしょうが、
オタク趣味の分野は特にそうなんじゃないかなと感じます。

「好きな作家について、テキトーなことを言っている記事が伸びている」、
「あの作品について、掲載されていた雑誌の特性を考えずに、そもそもどんな雑誌に載っているかも知らないで文句を言ったり褒めたりしている人が居る」、
「根拠もないその人の思い込みで、バイアスの強い感想がもてはやされている」、

そういうのを見かけるたびに、心を痛めていらっしゃるのかなと勝手に思うことがありまして……


私も頭が悪いなりに、こういう事例に当たることはあって、
辛いな、嫌だなと思うのですが、
そもそもちゃんと反論できるだけの知識も頭の良さも無いので、
ある程度で諦めていました。
それはあんまりカッコいいことじゃないのかもしれないけれど、
心を守るうえでは、まぁ良かったのかなと思っています。

もう一つのルートとしては、
知識もあり頭も良いから、いかにデタラメか、ひどい意見かというのが判るけれども、
それに対して"暴れる"ことができる、
あるいは適度に自分に都合の良い解釈ができる(見てみぬふりをする、下に見るなど)
と、いうのがあると思います。

こっちのルートはtwitterやブログで目立つ人にまあまあ居るかなという印象です。
というか、そうでもないと、書いて発信することを続けるのは無理なのでしょう。
精神が持ちません。

私も自分の好きなものが適当に扱われることに対して怒りやすいタイプなのですが、
知識が乏しいし考察力も足りない、感情的にはなるけれどそれをまとめ上げる文章力も無いので、
……それを自覚しているので、
文句を言う武器を持たず、そもそも資格が無いなと感じます。

それで、そういう感情を脳内でこねこねしているうちに、
面倒くささが勝ってぶん投げるので、アウトプットをすることが無くなってしまうというダメな循環ができてしまいました。
(だから、ブログもtwitterもあまり更新しないのです)

なので、時々その感情のフタが開いて、向き合わなかったツケが回って、
どんよりしたり、怒りが復活することを繰り返しているわけなのですが、
でも、自業自得であると同時に、これで良かったのかもなとも考えました。

頭は良くなりたい、知識もできればほしい、
でもそれらがあったとしても、ままならない世界はどうにも変わらないよな、と感じます。
なまじ、いろんなことが分かるだけに、
「なぜこれに言及している人が居ないんだ」
「なんでこんな無茶苦茶な話がまかり通ってるんだ」
という絶望は深くなってしまうのかな……?と。

"世界の正しさ"(正しさの定義は置いておいて)と、
"世界と自分の一致度"というのは
自分の理解度に関わりなく隔たって埋まらないものですからね。

多かれ少なかれみんなそんなものだし、
それに悩まない人なんて居ないのかもしれませんが。

自分の知識の無さ、頭の悪さは情けないものであり、改善を目指していくべきだという認識でしかなかったのですが、
自分はそのおかげで、世界への解像度も低くなって、
傷つくことも減っていたり、諦めることもできるのは、
ある意味良かったのかもしれないということに気づきました。
威張れたものではないし、全然自慢にもならないことは前提ですが。
判る、知っているからこそ辛いこともあるのだなと。

もちろん「頭が良くて知識がある」ゆえに悩む人を否定するつもりはありません。
ただ、知識とか世界との向き合い方について
それぞれのタイプがあり、それぞれの苦しみや対処法があるという、概観が分かった感じがしました。

うーん、長々と書いてきたけれど、要約すると
「自分は"適当ご意見"に腹立ってもあんまり暴れられない性分だったけど、そもそも知識ないからって諦められるぜイエーイ」
という、どうしようもないものになってしまうなあ。

私に関しては、この問題の構造が分かって、ある種の開き直りを得て少し楽になったのですが、
聡明な人が直面する辛さ、抱える闇をも見てしまったので複雑な心境です。
同情できる偉さもないし、力になれることも無いんですけどね……
その深淵の一端をたまたま通りすがりにのぞいてしまって、
心がものすごくざわざわしてしまいました。

まあ、”頭の悪い人”(自分です)が一方的に想像しているだけなので、
本人にとっては全然違う可能性もあるのですが。

なんか具体性のない抽象的な話ですみませんでした。

他人について「こうに違いない」みたいな憶測で決めつけるのは嫌いなのですが、
他の苦しみが存在するかもしれないと感じたこと自体はよいかな、と思って書きました。
むしろ今までそういう可能性を考えたことなかったのは良くなかったな……と反省しました。


文章としては全然オチていないのですがこのへんで。
前述のようにアウトプットをしなくなりすぎているのも問題だと思ったので、なんか書いてみました。
お付き合いいただきありがとうございます。




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