アスーラとアズラーイル 1
- カテゴリ:自作小説
- 2023/11/05 19:30:42
おばあ様が子供だった頃(そんな時があったなんて信じられない!)、世界には数えきれないくらいたくさんの島があって、どの島にもたくさんの村があって、どの村も両手で数えきれないくらいの人が住んでいたんだそうだ。
何百人も乗れる大きな船があって、何十日もかけて島々を周ることも出来たんだって。今ではもう誰も見たことのないような綺麗な布や美味しい果物を干したものやキラキラ光る宝石やいろんなものがあって皆幸せに暮らしていたんだとおばあ様が教えてくれた。
でも今、僕の村にいるのは僕を入れて19人。僕の村以外にもう人はいない。以前は山を降りて3日間歩いたところにもう一つ村があって、そこには100人以上の人がいたそうだけど。
今はもうその村があったところには何もない。みんな燃やされてしまった。
マハール族が吐く炎で。
人も家も畑もみんなマハール族が空から襲ってきて燃やしてしまった。
僕の村は岩山をくり抜いて作った部屋が中で細い通路でつながっているから、空からは見つかりにくくてマハール族に襲われなかった。
でも、僕たちは獣の肉や毛皮を燃やされた村の人たちの作った畑の作物と交換して暮らしていたから、生活はとても厳しくなった。
狩りのために岩山を出た人がマハール族に見つかって殺されてしまうことが何度もあった。それだけじゃなくて、この数年間は怖ろしいくらいに寒くなっていて獲物も滅多に見つからなくなったのだ。
おばあ様が弱って亡くなる少し前、僕の頭を優しく撫でながら「かわいそうに」と何度も言っては泣いていた。
僕は僕の村を救うために神龍様の生贄になることが決まっていたから。
続
まあ、そんなことを言えばシェイクスピア以後(異論認める)誰も小説書く資格なくなるもんねww
「カイムルとラートリー」、傑作だったよねえ!
でもそれはそれ、これはこれ、せんちゃんの「傑作」をお待ちしてます(*^_^*)