アスーラとアズラーイル 6
- カテゴリ:自作小説
- 2023/11/19 19:49:37
柔らかく発光する飛翔体になった僕は上昇を続けた。
周囲の壁がぼんやり見える。それは揺らめく光のせいかゆっくりと蠢いているように見えた。
ずっと昔もこうして飛んでいたような気がする。
薄い翅を震わせるたびに、あたりの空気は重くなり抵抗が増した。
…何時間飛び続けただろう。
僕は疲れ切り、自分が本当に飛んでいるのかそれとも夢の中を漂っているのか
わからなくなっていった。
翅が一枚、また一枚とちぎれて落ちていった。
6枚翅が最後の2枚になった時、ようやく天井に入口のようなものが見えた。
あそこに入らなければ、僕は落下して今度こそ死んでしまうかもしれない。
でも扉は固く閉じられていた。
絶望したその瞬間、夢の少女に教えてもらった歌が頭の中で響いた!
星空の下、お互いの声が気持ちよく響き合い幸福感に包まれていたあの夜のことを思い出しながら僕は歌った。
最後の羽ばたきで僕の翅は全て落ちていった。
そして、天への扉が開かれ僕は眩い光と一体になった。
その光はアズラーイルの一族が住む村にも届いた。
神龍が住むという伝説の山は険しく雪と氷に覆われていたが、その峰は身震いするかのように揺れ始めた。
小刻みに揺れる大地に恐れ慄きながら村人は信じられない光景を目にした。
山頂の雪が巨大な幾筋もの雪崩のように溶け落ちたかと思うと、岩山には幾千もの「光の目」が出現した。
そして、まるで巨大な鎌で山頂を水平に切り取ったかのように頂上の峰は山脈から離れゆっくりと天空に浮かび上がった。
山頂に出現した幾千もの「光の目」によってあたりは真昼のように明るくなった。
間もなく、夥しい数のマハール族が襲来した。そして、かつて山の頂だったものに向かっていった。
マハール族は易々と人間を貫く爪と牙を持つが、最も恐ろしいのはその速さだ。彼らは命を持たないが故に疲れるということを知らない。バラバラになるまで執拗に攻撃を繰り返すのだ。
天空に浮かぶ「光る山」は膨大なマハール族に覆いつくされ、光を失ったかのように見えた。
しかし、その一瞬後天空に浮かぶ山は岩と土を払い落し幾千の「光の目」がマハール族を一斉に貫いた。
マハール族の残骸が落ちた後には、煌めく鱗をまとった伝説の神龍アスーラが悠然と宙を舞っていた。
続
メモ帳に書いたすごく大雑把なあらすじ見ながらの作業なので
ほぼ書きながら考えるというか(;^_^A・・・
具体的にどうなるか自分でもわかってなかったりするww
(いつもそうだけど)
3で1/5って言ってたから、15まで行くと思ってたw
早く結末知りたい気持ちと、いつまでも終わってほしくない気持ち……葛藤してるよw
次がラスト(多分)です~♪