Nicotto Town


ジュンチャン


だまされる者


ある男がシェパード犬を連れてバーに入った。
すると、それを見てバーテンダーが困ったような顔をして言った。
「申し訳ありません、犬は御遠慮願ってるんですが…」
男は何とか言い繕うと、とっさに嘘をついて言った。
「あ、こいつは盲導犬なんですが…」
「そうでしたか。それならOKです。さ、どうぞ。」
バーテンダーはニッコリ笑って、男をカウンターに案内した。
それから、しばらく時間が経った。
男はほろ酔い加減で、そのバーを出ようとしていた。
ちょうどその時、チワワを連れた別の男が入ってきた。
男はその肩をトンッと叩くと、そっと彼に耳打ちした。
「や、失敗しましたね。ここに犬は入れないんですよ。でも…」
「盲導犬を連れているって言えば、大丈夫ですよ。」
チワワを連れた男は、彼に感謝しながら中に入っていった。
すると、さっきのようにバーテンダーが彼に声をかけた。
「申し訳ありません、犬は御遠慮願ってるんですが…」
「あ、こいつは盲導犬なんですが…」
「あはは、こいつが盲導犬だって!」
バーテンダーは男を睨み付けながら、声を荒げて言った。
「チワワの盲導犬なんて聞いたことないぞ!あんた、嘘ついてるな!」

男は頭を抱えて、見えない目を開きながら叫んだ。
「オーマイゴッド!あの親父、俺にチワワを売りつけやがったのか!」




月別アーカイブ

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.