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安寿の仮初めブログ


お遍路の記録 宇和島から松山編 その7-1


2024年2月20日(火)  曇りのち晴れ、午後は暑いぐらい。

6:30 起床。
いつもよりゆっくりと起きたのは、今日の日程には余裕があるから。

7:30 朝食バイキングへ。朝食を食べてる宿泊客は、多かった。
これなら採算性はありそう。

8:30 出発。
今日は、ゆとりある行程なので、足も痛いことだし、ちんたらと歩く。
ちんたら歩いても、宿から2K程度のところに最初のお寺がある。

9:10 50番札所、繁多寺に到着。
お寺で葬儀が行われていて、ちょうど出棺の時間だった。
なので、参列者の後ろから、私も手を合わせて霊柩車を見送る。

おそらく私が今日最初の参拝者。香炉の灰がきれいに慣らされていて、
線香が一本も立っていない。なので、静かに参拝できた。9:50 出発。

陽が差してきたが、昨日は大雨だったので、
なんだか町全体が蒸し暑くなってきた。

住宅地の中を縫うようにして遍路道は続いており、

10:30 51番札所、石手寺に到着。

ここは道後温泉が近いだけに、観光客姿の参拝者が多い。
今日のお参りは、この二つのお寺だけなので、ゆっくりとお参りする。


このお寺は、お遍路の起源となった衛門三郎(えもんさぶろう)ゆかりのお寺。

衛門三郎という人は、松山の豪農だったのだけど、欲深い人だったらしく、
ある時、托鉢にきた僧を追い返そうと思って、僧が持っていた鉢を叩き落とした。
すると、その鉢は、八つに砕け散ったとのこと。

実は、この僧は、弘法大師で、
その翌年から衛門三郎の八人の息子が次々と亡くなり、
「なんと恐ろしいことをしてしまったのだ」と衛門三郎は後悔して、
弘法大師を追って、四国を巡る旅にでた。

しかし、二十回巡っても大師と出会うことができなかったため、
遍路道を逆に廻ることで巡礼を続けたけれど、その途中、病に倒れてしまう。

その時、死期が迫っていた衛門三郎の前に大師が現れ、
「なにか望みはあるか」と聞いたので、
「来世は、松山を治めていた河野家に生まれて、人の役に立ちたい」と
言い残して、衛門三郎は息を引き取った。
大師は、小さな石に衛門三郎とその名を書いて、亡骸の手に握らせた。

翌年、河野家に長男が生まれたが、その子は左手を握りしめていて、
長らく手を開こうとしない。
心配した親が、僧を呼んで加持祈祷を行ったところ、
ようやく手を開き、そこには衛門三郎と書かれた小石があった。

その石を納めたのが、この石手寺。石が手にあったから。


しかし、このお寺、国宝や重要文化財も多いが、
得体の知れない仏像や、あやしい感じがする場所もたくさんあって、
いい加減なことを語って御利益を謳う新興宗教のような感じがする。

裏山に作られた洞窟にも入ってみたが、なんだか陳腐な造り。
ありがたみなど、まったく感じない。
そのくせ入り口には、100円のココロザシを求める賽銭箱が置かれている。

衛門三郎の生まれ変わりと思われる子どもが固く握りしめていた小石が
宝物館に展示されているというので、こちらも入ってみたが、
受付などがあるわけでなく、
やはり200円のココロザシを求める賽銭箱が置かれているだけ。

入ってみると、お寺ゆかりの品物が雑多に並べられているだけで、
こんな展示では、これが宝物なのか、歴史的価値があるものなのか、
まったくわからない。
展示に洗練や工夫がなく、
むしろ仏教関連の見世物小屋みたいになっている。

衛門三郎の生まれ変わりが握りしめていた小石もあったが、
子どもが握りしめていた小石にしては、明らかに大きすぎるぞ。
大人の手が必要だぞ。

こんないい加減な展示では、
言い伝えられた伝承を、むしろ陳腐化させてしまうように思う。
でも、お寺が自らの伝承を陳腐化させて、どうするの?
 
宗教というよりも、
怪しげな霊能力商売をしているような感じのお寺だった。
参道にも、占いのお店などが開いていたし。

12:00 出発。
今日のお参りは済んだので、見学予定であった松山城に向かうことにする。
道後温泉もすぐ側にあるのだけど、道後温泉は、現在改修中なので、
道後温泉に入るのは、次回にする。

道後公園など、松山の中心市街を歩いて、

13:00  松山城に到着。
ロープウェイが修理中なので、並行して走っているリフトしか使えない。
しかし、リフトでは、ザックを背負って乗ることができないと言われた。
前に抱えても、大きなザックなのでダメとのこと。

予定なら、ザックを背負ったまま、ロープウェイで登って、
今日泊まる宿がある、城の反対側へと降りていこうと思っていたのだけど、
仕方がない。
リフト乗り場にザックを置いて、お城を見学した後、この場所に戻ってこよう。
歩いて登るという手もあるのだけど、
足が痛い今の私に、その気力はまったくない。
コインロッカー200円、リフト往復520円、天守閣入場料520円。

松山城は、宇和島城のように天守閣だけがポツンと独立してあるのではなく、
天守閣が数々の櫓や小天守閣と繋がった、
姫路城と同じ連立式天守群のお城なので、
中の展示も充実している。お城の中をぐるぐると見て回る楽しさがある。

鉄砲を持って櫓の狭間から敵を狙ってみたり、刀の重さを実体験してみたり、
鎧いを実際に着てみたりできる体験コーナーもあった。
この重さの鎧いを着て、この重さの刀を振り回すとなると、
5分もしない内に息が上がってしまうぞ。

天守閣の頂上からは、松山の市街が一望できる。
だけど、今日は蒸し暑く、何もかもが霞んでいるため、
海まで見通すことはできなかった。

15:00 リフトで下に降りてきて、出発。

15:50 今日の宿に到着。1泊2500円。安い!
その分、わかりきっていることだが、設備は推して知るべし。でも、個室。
残念なのは、コインランドリーが故障していたこと。
シャワーしか使えないこと。

1キロ程度離れところに、日帰り温泉施設にような大きな銭湯があるので、
そこに入りに行き、途中で夕食を食べて、コインランドリーで洗濯をして
宿に帰ってくることにする。

16:30 着替えを持って宿を出発。
今日は、いつ夕立のような雨に降られてもおかしくない天気なので、傘と、
コインランドリーで時間を潰す間、この記録を書くためにiPadも持っていく。

7-2に続く。




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