どう生きる?第四十八章 歓迎会
- カテゴリ:自作小説
- 2024/03/09 14:43:23
第四十八章 歓迎会 入学式の後、学部や同じゼミの新入生歓迎会が何度か、行われた。 私とマヤはそろって参加した。 多くの人が私たちの美しさに目を見張り、 そして私たちが一緒に暮らしていることに驚いていた。 いろいろと詮索されたが、あまり詳しくは話さず、 「旅行先で知り合った」と私たちは答えた。 「東京大学の学生は、本当に個性的で賢い人たちばかりだね」 と彼女は感心しながら話した。私もうなずいた。 マヤは2年間の留学生なので、 その後の進路はまだ決まっていなかった。 「とりあえず、この環境で2年間マヤと過ごせることは 私にとってとても幸せだよ」 と言うと、彼女もほほ笑んだ。 東京大学には進学振分け制度があり、 1年生と2年生の途中までの成績を元に、 3年生からの進学先を決めることができる制度だった。 「リベラル・アーツ教育」の一環であり、 大学入学後は専門分野に囚われず、 興味を持ったことは何でも広く学べる。 「私は現段階では電子情報工学科を目指している」 と話すと、彼女は興味深そうに聞いた。 「人工知能を活用して機器を操作することを 目指して勉強をしていきたいと思っているんだ」 と続けて言った。