Nicotto Town



さよならは別れの言葉じゃなくて

やめとけばいいのに、また夜中の2時過ぎに映画を観はじめました。
おんなじ文章を、ちょっと前にも書いた気がする。。。
そして見終わったら窓の外が明るくなっている。
おかげで寝不足で。なんかだるい。



セーラー服と機関銃



リメイクなどもされましたが、1981年のオリジナル。(そういえば、最近劇場で見た映画のことを書くとか予告していたのに、書いてないな)。


監督は相米慎二。


最初から最後まで、相米慎二っぷりが全開です。
驚異の長回し、アイドル映画だっていうのに延々ロングショットで顔を写さないとか、お決まりの部分は言わずもがな。
兎に角、撮影現場が過酷とのことで有名。もちろん見聞きした話ですけど、アイドルだろうが何だろうが、容赦なし。クレーンにぶら下げて、生コンのプールにドブ漬け。1シーンのためのリハーサルが朝始まり、説明もしない、指導もしない、自分で考えろと突き放し、本番撮影開始が夜中という異常っぷり。



という話は、どうでもいいんです。



原作は赤川次郎ですが(ちなみに、赤川次郎さんはこの直後にブレイクします)。



正直なところ映画にストーリーの分かりやすい整合性や意味など、考えるだけ無駄です。あれこれ謎過ぎw

ただ、表面上のストーリーや出来事や設定は無茶苦茶ですが、結局一貫して主人公の星泉(薬師丸)が大人になってくプロセスを生き生きと写してはいる。子供が大人になるって、脱皮みたいなものだと思います。徐々にグラデーションのように変わっていくところも勿論あると思うけど、脱皮の様に変わっていく様ってあるように思います。たぶん、そういう思春期の何か歯車が狂っていくようで、でも狂った先で熱に浮かれているうちにカチッと噛み合うような、そこを相米さんっぽいギミックで引き立ててみているだけ。




それでいいんですよ。
だって、相米慎二だよ?
設定おかしいとか、ストーリーわからんとか。
何を求めてんの、相米さんにって話ですよ。

まあ、「魚影の群れ」あたりから洗練されて行ったようにも思いましたが、「台風クラブ」で、結局これかとw


でも、ある意味では、「薬師丸ひろ子」にオンブに抱っこの映画とも言えるかなとは思います。


もう出来上がってしまっている映画だから言えるのかもしれませんが、薬師丸さん以外、星泉役が全く想像できません。
あの唯一無二の吸い込まれそうな目と、透き通るようなハイトーンボイスに、やたらと活舌の良く語られるセリフ。大根役者一歩手前のようでいて、星泉という役のキャラクターとしてギリギリで成立している、一種の棒読み感(棒読みなのではなく、薬師丸さんの喋り方そのものなんですけどね)。



まあね、理屈はともかく、単に相米さんが変人で変態なだけと言ってしまえば、実際その通りなんだとは思いますが。
若い娘を苦しませてハァハァしているだけなんじゃね、みたいなw



閑話休題



そしてトドメは、どうしたって薬師丸さん本人による「セーラー服と機関銃」のテーマソング。
本来は作曲した来生たかおさんが歌うことになっていて、作詞をした姉の来生えつこさんもそのつもりだったのに、角川や相米さんが「薬師丸に歌わせる」ということにしてしまい大事になり、来生バージョンと薬師丸バージョンの異名同曲がリリースされていました。

でもさ、もうどう考えたって薬師丸バージョンじゃんw
初めて聞いた時、衝撃を受けました、わたし。
ラストで、薬師丸ひろ子の「セーラー服と機関銃」が流れないなんて、あり得ない。来生たかおバージョンそのものが悪いとは思わないけど、ラストであれが流れたら台無し。

薬師丸ひろ子自身の声で、あの滅茶苦茶な映画に最後の落とし前をつけてもらわないと、終えるに終えられないじゃん。



「セーラー服と機関銃」



名作というよりは迷作なのかもしれません。
でも、わたしは大好きです。



以上。
ではでは。




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